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トンネルに強さを実感

ウィルコム無線LANオプションでつなぐ、N700系の無線LAN

2009年04月30日 11時00分更新

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変動の激しいイー・モバイル、低速だが安定した無線LAN

 グラフの内容を詳しく整理しよう。まずイー・モバイルの測定結果だが、走行場所や走行の状態によって激しく変動していることが明らかだ。

 新横浜、名古屋、京都の各駅の停車中、あるいは駅停車前後の低速走行中では1.5Mbpsを越える速度を示し、トンネルのない区間を高速走行している時も1.0Mbps前後の速度が記録された。

【グラフ】左のグラフが測定した結果。縦軸が東京駅を発車してからの経過時間、横軸がgooスピードテストの測定値である

 しかし、トンネルが連続する神奈川県大磯町・二宮町付近から小田原市、熱海駅通過後の新丹那トンネル通過中などはまったくデータ通信ができない状態であった。

 同じように、新富士駅通過後の富士川鉄橋~蒲原トンネル付近、大井川を越えたあたりからの第一高尾山トンネル(静岡空港直下)~牧ノ原トンネルに至る連続トンネル区間、滋賀県-京都府の県境にある音羽山トンネルといった長大トンネルでも電波状態が圏外となりやすく、データが流れづらい状態となった。

 これに対し、N700系の無線LANは、東京駅を出発した直後から京都駅に到着するまで、必ずしも高速ではないが、0.42~0.48Mbpsという常に安定した速度が記録されている。実際に測定をしているときも、測定開始直後からすぐにデータが流れていたようで、いわゆる「パケ詰まり」のような現象は全く見られなかった。

 今回は日曜朝の比較的空いている時間帯での測定で、たまたま乗車した新幹線内の無線LANサービス利用者が少なかった可能性がある(逆に同サービスの最大速度2Mbpsよりはかなり低いので、利用者が多かった可能性もある)。とはいえ、イー・モバイルのように電波状況に依存して全くデータが流れなくなるタイミングがなかったことは好印象である。

 また、京都駅で下車したので、京都駅~新大阪駅についてのデータはないが、この区間にはトンネルがないこと、平行するJR京都線、阪急京都本線ではイー・モバイルでも概ね安定したデータ通信が可能であることから推測すると、双方とも新幹線車内では安定した速度で接続できると予想される。

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