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「先生何やってんすか」の真相を聞いてみた

これぞ「プロの犯行」 鼻そうめんPが初音ミクで遊ぶワケ

2009年04月30日 16時00分更新

文● 四本淑三

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エロゲーにも興味があったり

── でも仕事はイラストレーターを選んだわけですね?

HSP:生活がかかってますから。音楽でずっと食べていける人はひと握りだけだと思っていたので……。

── それで音より絵だろうと。昔から描かれていたわけですか?

HSP:それもパソコン通信がらみで。中学生くらいになるとファミコンに飽きて、パソコンという未知の世界が、ものすごいものに見えてくる。「ファミコンにないこんなゲームが!」ってね。

── なるほど。何をやりたかったんですか?

HSP:エロゲーです

── ……何かすごくエロい扉に見えていたわけですね、パソコンが。

HSP:でも親には言えないじゃないですか。だからパソコンを買う口実として「絵も描けるし音楽も作れるんだよすごいんだ!」って。

── でもエロには走らずクリエイティブな使い方をしたと。

HSP:いや、その辺は(笑)。18歳になるまで買えませんから、指をくわえて雑誌の紹介記事を見て夢を膨らませていました。イラストの仕事も、そっち方面が最初ですね。ネットで知り合いができて、それで声をかけてもらったという。

 でも本当はイラストだけではなく、アニメもやりたかった。だから軌道修正ということで、色んな会社に絵を持ち込んだり就職活動をしてました。そんなとき、ネットで知り合った非常に尊敬している業界の方に話をしたら、ウチでやってみないかと。それが今の仕事につながっています。


スピーカー以外何もナシ!の潔い制作環境

── 気になっている人も多いと思うので、今の音楽制作環境を教えてもらえますか?

Ableton Live 8

Ableton Live 8

HSP:Macで「Ableton Live 8」※1です。音源はフリーのものも含めていろいろ。「Vanguard」※2、「Sylenth1」※3、あとはRob Papenっていう人が作っている「Blue」※4などを使っています。

── 「Synth1」※5を使っているという情報もありましたが。

HSP:昔は「Psycle」※6と一緒に使っていました。軽くて音もいいんですけど、WindowsからMacに環境を変えたので、Mac版がないSynth1は使えなくなったんです。

── Macに変えた理由は?

HSP:場所を取らないパソコンが欲しかったから。iMacの白い筐体の最後のヤツですね。初音ミクもWindows版しかないんですが、「CrossOver Mac」※7の上で使っています。

── ハードシンセは使わないんですか?

HSP:やはり部屋を広く使いたいという理由で使っていません。今の制作環境は、機材的に言えばスピーカーしかないんです。PCのキーボードを鍵盤のように置き換えて使うこともできますからね。


※1Ableton Live 8:エイブルトン ライブ エイト。繰り返しの音(ループシーケンス)を基本に曲を作っていくミュージックワークステーション。リアルタイムで創作していく用途に向いている。製品情報はこちら
※2Vanguard:ヴァンガード。シンプルなVSTi対応のバーチャルアナログシンセ。トランス系のアーティストに人気。サイトはこちら

Vanguard

Vanguard

※3Sylenth1:サイレンスワン。VSTi対応のバーチャルアナログシンセ。HSPいわくRolandの名機「JP-8000みたいな音が出る」とのこと。製品情報はこちら
※4Blue:ブルー。VSTi対応のソフトウェアFMシンセ。HSPは動作の軽さがお気に入りらしい。製品情報はこちら
※5Synth1:シンセワン。HSPがWindowsで使っていた国産バーチャルアナログシンセ。VSTi、DXi対応。無料なのに高性能でお勧め。製品情報はこちら
※6Psycle:サイクル。同じくHSPがWindowsで使っていた、往年のMODトラッカーに近いシーケンサ。VSTiやASIOに対応し、レンダリング出力もするモダンな仕様。これもお勧めのフリーソフト。製品情報はこちら
※7CrossOver Mac:Mac OS X上でWindowsのアプリケーションを動作させるWindows互換レイヤーのこと。「Parallels Desktop」や「VMware Fusion」といった仮想化ソフトとは異なり、Windows OSを必要としないのが特徴だ。製品情報はこちら


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