Twitterまで飛び出した
「Sales Cloud」と「Service Cloud」
同社はCRMを中心に展開してきたが、ルーカス氏が主に話をしたのは、「Sales Cloud」と「Service Cloud」だ。
Sales Cloudは、その名の通り営業担当者向けのソリューションで、その目玉は“おすすめ営業案件”機能とも呼べる、「ジーニアス」というレコメンデーションエンジンを使った仕組みである。営業担当者が案件提案を行なう場合、営業先企業の過去案件だけではなく、Sales Cloudは、“似たような他社案件”もリストアップしてくれるのだ。
ユーザーはリストをさらに絞り込み、参考にできる。絞り込まれた案件には、付随したドキュメントへのリンクが設定されているので、提案書もすぐに参考にできるというわけだ。
次にService Cloudだが、これはカスタマーセンター(コールセンター)用のソリューションだ。
特徴的なのが、TwitterをはじめとしたWeb上の発信源から情報を取ってこれること。
ユーザーは、困ったことが起こった場合、カスタマーセンターに電話をするよりも先に、まずGoogleで検索するという行動を取る場合が多い(思い当たる節がおありだろう)。だから、Web上には企業にとっての想定質問集ができあがっていると考えられる。そうした質問への答えを企業の製品情報ページ(FAQページなど)に掲載しておけば、コールの減少=コスト削減につながっていくという利点がある。
また、製品情報ページにおいては、たとえば「ファームウェアのアップデートが必要です」という回答ページがあった場合、Service Cloud内に蓄積しているアップデートファームウェアへのリンクを埋め込んでおくといったことも可能となっている。
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セールスフォース・ドットコム代表取締役社長 宇陀栄次氏は、「クラウドという言葉が浸透し、行政や大臣に説明する機会が増えてきた」と語る。郵便局やキヤノンマーケティングジャパンといった大型事例から、社員数10人の小規模事例まで、ユーザー企業は幅広い。業務アプリケーションがすべてSaaSになるわけではないが、まだまだセールスフォースの伸びる余地は存分にありそうだ。