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パワポで極める「ビジネス極意」 第9回

スパム撃退や店舗出店企画――続・実例で学ぶ「5枚プレゼン」

2009年04月27日 09時00分更新

文● 竹島愼一郎

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【1 コンセプト】
ストレス解消がP(目的)

 コンセプト「SPAM BEAM」(脚韻を合わせてある)を提示するとともに、アイデアを1枚の絵で表現している。なぜこれを発想したかを「付箋」で説明した。

Design
スケッチブックの描き方

 スケッチブックをリアルに見せるポイントは画帳をとめる金具の部分(左側)にある。「アーチ」という図形を加工したあとコピーを作り、上下に均等に並べた。


【2 具体案】
V(バリュー)は仕事中の遊び

 スパムメールの削除は時間の無駄であるが、遊びに変えることでストレス発散や気分転換に役立てることができる。わかりやすく4コママンガで表現した。

Coloring
3色によるトリプルコンビネーション

 配色は、「付箋」では最もノーマルな黄色と青色、それに強調色である赤色の3色で構成されている。黄色の地に赤色というのは、非常に強烈な色彩である。


【3 評価】
即決の材料にするのがA(目標)

 このアイデアを「自己評価」と「社内評価」に分けて提示した。客観的な見方を併記することで、会議に入ってもその場で何らかの判断を下すことができる。

Design
“デジタル承認印”をデザインする

 「私本人がこれを承認しました」という押印マーク(右側)は、「図形の塗りつぶし」を「なし」にした赤色の楕円の中央に、明朝体のテキストで名前を入れたもの。


【4 評価】
商品化のリスク軽減がA(目標)

 ビジネスとして成算はあるかどうかを「3C分析」という手法で検証。これにより企画自体の弱みや、商品化段階での問題点を明らかにすることができる。

Design
最も重要な部分に「ピン」

 ここを最も注目して見てほしい、という箇所に「ピン」を打った。同様に囲みは「輪ゴム」、矢印代わりに「ボールペンの先」でリアルさを出した。


【5 計画】
A(目標)は収益モデルの安定性

 製品化するにはリスクが高いと判断し、ダウンロード用のソフトの形で無償で提供し、ゲーム中に広告が表示される収益モデルを考え、最後に提案した。

Design
図解のタイトルに「消しゴム」

 図解のタイトルも工夫して、「消しゴム」の形の上にテキストを乗せた。こうしたイラストはネットで適当な写真を検索して手本とし、基本図形を使ってまねて描くのがコツ。


作成ポイント
斜めに突き刺さったピンの描き方

斜めに突き刺さったピン

完成イメージ

 紙留めのピンを少し浅く刺して、斜めに立たせたように描くことでリアルさが出る。

 ここでは紙面を立体的に見せることができるとともに、2本にして左右に突き刺すと(片方を作ったあとでグループ化して、左右反転させる)センターラインをきれいに見せることもできる(具体例は次回の事例で紹介予定)。

 ピンに影をつけるといっそうリアルさが増す。


1 大きめの楕円を描き、[Shift]+[Ctrl]キーを押しながら上にドラッグしてコピーを作る(下図を参照)。

2 コピーした円の右下のハンドルを左上にドラッグして縮小図形を作る。

3 同じように台形を上下に描き、下の台形を選択して[図形描画]→[配置]をクリックして[回転]→[上下反転]をクリックする。下の台形は最背面に送る。

4 それぞれの図形に色を施したあと、すべての図形を選択して、[配置]→[配置]→ [左右中央揃え]をクリックして垂直方法に揃える。

5 右クリックをして[グループ化]→[グループ化]をクリックする。1つになった図形の緑色の回転ハンドルをドラッグして適当な傾きをつける。

6図形の効果]をクリックして[反射]→[反射の種類]→[反射(中)、オフセットなし]をクリックしてピンの下に影を作る(PowerPoint 2007からの機能)。


上記の操作解説は「PowerPoint 2007」をもとにしています。PowerPoint 2003以前をご使用の方は、該当するバージョンの機能にしたがって操作してください。

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