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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第22回

「dynabook」の名を持つ東芝の新Netbookは買いか?

2009年04月22日 16時00分更新

文● 西田 宗千佳

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ディスプレーのクオリティーと操作感は良好

 さて、中身はどうだろう?

 UXはCPUに、新しいAtomである「Atom N280」(1.66GHz)を採用している。これまで採用例の多かったN270に比べて、多少クロック周波数が上がっているのだが、速度向上が体感できるほどの差ではなく、同レベルといって差し支えない。ほかの仕様も、Netbookとしては一般的だ。速度よりも使いやすさを重視してか、ストレージは160GB HDDを採用している。ほかのNetbookも同様だろうが、このあたりでの差別化はしたくてもできない、というのが本音なのだろう。

 デザイン以外の差別化点としては、ディスプレーが挙げられる。10.1型/1024×600ドットというサイズや解像度は珍しいものではないが、LEDバックライトを採用しており、発色がなかなかいい。高級なノートパソコンのそれとはスペックが異なると思われるが、それでも6万円程度のパソコンとして見れば、十二分に満足できるクオリティーとなっている。ディスプレー周囲のデザインとあわせ、満足度の向上に一役買っている。

ディスプレーは10.1型/1024×600ドット

ディスプレーは10.1型/1024×600ドット。上部にはウェブカメラが内蔵されている。ディスプレー周囲には天板同様のモチーフのデザインが施されている。バックライトはLEDで、輝度・発色ともに良好

 USBは3つで、本体右に2つ、左に1つという配置である。奇をてらったものではなく、使いやすい。同様に使いやすいと感じたのが、メモリーカードのスロット(ブリッジメディアスロット)が左手前にある点だ。一般的なノートパソコンでは当たり前の配置だが、レイアウトに制限の多いNetbookでは、側面配置が一般的である。

 実はNB100の場合、メモリーカードスロットはSD系だけでなく、メモリースティックなどにも対応した「マルチ対応」のものだった。それがUXでは、SDとMMC対応へと変更されている。ほぼ唯一といっていい「スペックダウン」だが、USB接続のアダプターなどを併用すればすむので、大きな問題ではないだろう。

 逆にちょっと気になるのは、LAN端子が比較的手前についていることだ。左手前から2番目にあるため、ケーブルが横に飛び出して使いづらい。おそらくは、「Netbookなら無線LANで使うだろう」という発想での配置と思われる。個人的にはまったく同意だが、有線派は気をつけた方がいい。

本体左側面

本体左側面。左からアナログRGB出力、マイク、ヘッドホン、LAN端子、USBが並ぶ

本体右側面

本体右側面はいたってシンプル。手前側にUSBが2つ、奥にACアダプター端子とセキュリティーロック

 同様に気になったのが、電源プラグの形状である。電源コネクターは本体右側面にあるのだが、ACアダプターからのプラグの形状がL字型でなく一直線であるため、横に飛び出す部分が長い。少々使いづらく感じた。ACアダプター自体は非常に小型で、持ち運びも容易だ。NB100に付属のものよりも小型化されており、改善点のひとつである。

 すでに述べたように、UXはフットプリントが大きめなNetbookである。だが、重量は標準搭載の3セルバッテリー利用時で1.18kgと、NB100(約1050g)から数十グラムしか増えていない。サイズと重量のバランスは、一昔前のモバイルノートという印象だ。別売の大容量バッテリー「61Q-S」を装着しても重量は1.33kg。カタログスペックでは、大容量バッテリーで最長10時間の動作が可能としている。Netbookとしては、なかなか立派な値といえるのではないだろうか。

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