本格的な静止画撮影がしたい人にお勧めのSX200 IS
作例を見た範囲では、PowerShot SX200 ISが素材を生かしたオーソドックスな出力となっており、好印象だった。夜景撮影時などでは、点光源のコマ収差の補正や、光源の雰囲気の残し方が巧みで感心させられたし、周辺のゆがみなどもよく補正されていた(そのぶん本体のサイズは最も大きく、レンズ鏡筒も太いが)。
高感度性能も十分に高く、等倍で見ても荒れは少ない。ただし、菜の花のサンプルを見ると、エッジの乱れが感じられる面があるので、強めの画像処理を行なっている可能性がある。とはいえ、ISO 400程度までなら十分常用できる範囲である。電源投入時に(強制発光不可でも)常にストロボがポップしてしまうなど、やや疑問に感じる面もあるが、操作感・質感に関しても良く考えられていた。
動画重視ならこれ、バランスもいいDMC-TZ7
動画撮影に加え、機能/画質/操作性のバランスの良さという特徴があり、失敗のない1台と言える。画質に関しては、色のバランスの良さに魅かれた。例えば、菜の花のサンプルでは、気持ちマゼンタが入っていて雰囲気をうまく引き出していたし、ワイド端で風景を写したカットもうまくまとめていた。ただ、高感度撮影でロングタイムモードで夜景撮影すると低感度でも輪郭が曖昧になるなど、多少気になる部分があった。
操作感で印象に残ったのは、安定感があり、騒音も抑えられたズームの動作である。動画撮影時には、静止画撮影時よりズーム速度が遅くなるが、これはレンズの騒音が動画の音声に入り込まないようにする配慮だろう。PowerShot SX200 ISと比較しても動作音はかなり小さい。また、広角25mmと最も広い画角からの12倍ズームでありながら、光学系は小さくまとめられており、携帯性を犠牲にしていない点も評価できる。
とにかく小さく、考えずに使えるカメラならμ-9000
μ-9000は、キヤノン・パナソニックの2機種とはコンセプトの違いが際立った。最小のボディーで光学10倍ズームを持ち運べ、複雑な設定や操作なしに撮りたいという人に向いている。ユーザーが設定できる要素は最小限にとどめられているが、そのぶんだけ迷わず使える機種とも言えるだろう。10倍ズーム機をここまで小さくした点は評価できるし、それだけでも十分な価値があるだろう。
このように一口で超望遠ズーム機といっても用途や目的で一長一短が出てくる。自分にとって最適な機種を探してほしい。