予習も終えて
軍艦島の探索に出発!
簡単ではあったが、軍艦島の歴史は理解していただけだろうか。それでは、お待ちかねの軍艦島探索へと移るとしよう。
4月末から行なわれる上陸ツアーは長崎港から出航するのだが、取材したのは4月上旬ということで、上陸ツアー用の観光船はまだ就航していない。そのため、長崎市から車で45分ほど移動した場所にある野々串漁港より、県のスタッフなどが利用する渡し舟に同乗させてもらい、軍艦島を目指すこととなった。
この日の天候は晴れ。渡し舟の船長も驚くほど波、風ともに穏やかなもので、長崎ケーブルメディアのクルー2人とascii.jp取材班を乗せた舟は、無事に野々串の漁港を出発した。
軍艦島の上陸は運次第?
わざわざ遠くから足を運んで来たとしても、軍艦島は必ずしも上陸できるとは限らない。上陸可能な条件は、波の高さが50cm以下、風速5m以下、視程が500メートル以上あり、なおかつ見学者が安全に下船できると船長が判断したときのみ。
なぜ、ここまで厳しく定められているかというと、軍艦島に今回整備された桟橋は、波の高さに合わせて上下する一般的な浮き桟橋ではなく、旧桟橋を改修した固定桟橋のため。波の高さが50cm以上あった場合に、50cm以上足を上げて船から桟橋に移るのは、大きな危険を伴うからだ。上陸出来るか出来ないかは、まさに運次第というわけだ。
港の防波堤を抜けると、遠くのほうに軍艦島の特徴的なシルエットが眼に入ってきた。遠目に見てもその人工的なシルエットは、加賀型戦艦として就航したもののワシントン条約で廃艦の憂き目にあった戦艦土佐にそっくりだ。
出航した直後は、少し靄がかかっていたため細部まで見えづらかったが、軍艦島に近づくにつれて、肉眼でも建物の細部まで鮮明に見えるようになってきた。船に揺られること約10分、われわれは軍艦島の入口に到着した!
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