導入コスト(本体価格)、ランニングコスト(大容量インクカートリッジやCMYK別体インク採用)、消費電力という3つのコスト削減を図った日本HPの新ビジネス・インクジェットプリンター(関連記事)。各製品の詳細はすでに報じているが、ここでは発表会で示された驚くべき低コスト化戦略を紹介する。
0円ケータイのように
月々の定額インク代のみで導入できる
HPの海外法人がすでに行なっている施策として、日本HPの執行役員らが示したのは、「毎月1000枚(1台あたり)印刷を想定したインクを定額で2年間購入いただけば、初期導入コスト(本体価格)を0円にできる」というもの。つまり、0円ケータイのように普通に使用すればかかるコスト分で本体の購入価格を割賦しようというわけだ。
まだ日本での導入は「前向きに検討中」という段階で、詳細は明らかにされていないが、数十台規模で導入した場合に、上記のような導入方法が適用される見込みだという。同社の資産では、同等クラスのカラーページプリンターを購入して毎月1000枚印刷するランニングコストと比較した場合に、2年間で約26万円のコスト削減を実現できるとしている。
日本HPでは上記以外にも、「フィナンシャルサービス」「Managed Print Service」といった、企業の印刷コストを下げるサービスを提供している。フィナンシャルサービスとは、企業がすでに購入したプリンター(資産)をHPが買い上げて、改めてリースすることで毎月の経費として計上できるようになり、一時的に大きな負担となる導入コストを分散できるサービス。
Managed Print Serviceは、社内のプリンター設置状況や印刷枚数などを分析して、設備の最適化や運用経理の管理を行なうことで、最大30%のコスト削減を実現してきたという。すでに1年半前から運用しており、30社への導入実績があるとしている。
このほか、今回発表の全機種に共通で、プリンタードライバーに「インク量コントロール」機能を備え、5段階にインク使用量を低減できる。同社が具体的に測定している数字として、ノーマルより1段階下げるとインク量を25%削減できるという。最下位機種を除く3機種では自動両面印刷に対応。用紙コストを半減できる。
また、「Smart Web Printing」という印刷ユーティリティーソフトが付属しており、Webページの一部を切り出して1ページにレイアウトし、用紙の無駄なく印刷可能となっている(対応ブラウザーはInternet Explorer 6/7、Firefox 2.x)。
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カラーページプリンターを導入するのは初期導入コストが大きすぎる、という中堅・中小企業や部署単位で共有するカラープリンターを検討しているなら、コスト面に注目して機種選択するという手もあるだろう。