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創始者も駆け付けた「WordCamp Tokyo 2009」レポート

葛西区民館がWordPressに燃えた一日

2009年04月14日 14時28分更新

小橋川誠己/ASCII.jp

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「WordPressの名前の由来? ドメインが取れたからね」

 基調講演のあとには、会場のWordPressユーザーとMatt氏との質疑応答の時間が設けられた。会場からは「なぜWordPressという名前にしたのか?」といった素朴な疑問から、「(マット氏の経営する)オートマティック社の収益源は?」といったビジネスに関する質問まで、活発なやり取りがなされた。その中からいくつかのやり取りを紹介しよう。

参加者の質問に答えるマット氏

――WordPressの名前の由来は?

 もともと、出版物、本のような名前にしたいというイメージを持っていたんだけど、たまたま友人のクリスティンが「いい名前を見つけた」と教えてくれたのが「WordPress」だったんだ。「しかもドメインが取れるよ」と(笑)。最初のうち、この名前はみんなに不評だったんだけど、僕はとても気に入った。それで、WordPressに決まったんだよ。

――WordPressのバージョンごとにコードネームとしてJazzのミュージシャン名が使われる理由は?

 理由は2つあって、あまりテクノロジーっぽい名前にしたくなかったというのがひとつ。僕は、テクノロジーをあまり意識しないで使えることが(WordPressにとって)理想的だと思っているからね。

 もうひとつは、僕がJazzを好きだから(笑)。ひとつひとつのコードネームは、そのリリースの特性を踏まえて付けているんだ。たとえば、(昨年末にリリースされた)2.7は「Coltrane」という名前なんだけど、これはジョン・コルトレーンから取った。コルトレーンはJazzの世界で革新を起こした人物として有名だから、UI面でも機能面でも大きく変わった2.7にその名前を付けたんだ。

――(マットの経営する)オートマティック社はどうやって収益を上げているの?

 オートマティックは、WordPressそのものを開発する会社ではなく、その周辺、WordPressに付加価値をつけてサービスを提供する会社。収益源は大きく4つの柱がある。

 1つ目は「WordPress.com」(WordPressのホスティングサービス)の有料プランの利用料、2つ目は同じくWordPress.comの広告収入。広告収入は決して大きな金額ではないけど、少しずつの積み重ねでそれなりの収益にはなっている。

 3つ目は、WordPressに標準で入っているスパム対策プラグイン「Akismet」の利用料。Akismetは個人ユーザーは無料だけど、法人には有料で使ってもらっている。最後の4つ目は、大規模事業者向けのプレミアムホスティングサービス。たとえば、CNNやニューヨークタイムズといった大企業のブログの運用を一手に引き受けている。

――WordPressを(Webサイトの受託制作などの)業務で使う場合、ある日突然、使っていたプラグインの開発が止まって困ることがある。こうした状況をどう考えている?

 それは困った問題だね。ただ、これはオープンソースのよいところでもあるけど、WordPressの場合、プラグインの開発が途中で止まってしまっても、自分たちの手で(もしくはプログラマーを雇ってもいい)開発を引き継いで使える。これがベンダー製品だったらこうはいかないよね。オープンソースなら、開発できる人さえいれば、ライセンスに則って開発を継続したり、カスタマイズできるのだから。

――近い将来、WordPressはどうなっていると思う?

 3年後、5年後のことを予測するのは難しいけど、はっきり言えるのは、オープンソースのコミュニティをちゃんと保っていきたい、ということかな。それも、そのときの状況に合った形のコミュニティに発展していけたらいいと思う。


質疑応答の際、ユーザーが作ったWordPressのロゴの切り文字を笑顔で受け取るマット氏。「逆さにするとMattの『M』だね」とかなりの上機嫌
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