さっそく試してみる
ITコンサルタントの仕事もする筆者は、毎週、Skypeで遠隔会議を行なっている。これまでは事務所のPCを使っていたが、iPod touchでこれが実現できれば、移動の途中でも会議が出来て便利かも知れない。早速、よく利用するマクドナルドで実験してみることにした。
今日の会議は2時間。バッテリーの減り方や音質が安定しているかを確認していった。
まず音質だが問題ないレベルだった。PCに比べると若干遅延がある感じは否めないが、やり取りは成立する。むしろ音楽用のイヤホンの性能のお陰もあり、音質は携帯よりも良いと感じられた。
問題はバッテリーの減り方。レビューでは本体が熱くなるといったコメントもあり、CPUに相当負荷が掛かっているためか、バッテリーも順調に減っていった。
待機状態からの着信も可能に
これまで、firngなどの無料チャットツールでSkypeのチャットを受けるためには、アプリを起動している状態で待機させておく必要があった。今回のSkypeはアプリを終了させていても、音声着信・チャットを受けることが出来るため、実用性はかなり上がったと言える。
仮に無線LAN圏外であっても、PCの方にもSkypeを同じIDでインストールしておけば、着信があったことをそちらで確認することも可能だ。もし、更に完璧に着信を受けたい場合は、スカイプインと着信転送を組み合わせることで、iPhoneや携帯電話で通話を受けることも出来る。
まとめとおまけ
こんな具合に、iPhone・iPod touchの音声通話のバリエーションを拡げるSkypeは必須アプリの一つに躍り出たと言えそうだ。Wireless GateやFONを活用していれば、Skypeに通話を切り替えて、長電話の通話料を浮かせることも現実的になってきた。
気になるのはSkypeの利用が拡がった時に、ソフトバンクなどのキャリアのビジネスモデルに影響が出る可能性もあることだ。かねてから携帯でIP電話が実現すると、既存設備、特に圏外を無くすために各所に整備したアンテナ投資が無駄になるのではないかという指摘もあった。オフィスでは既に広くIP電話の導入が進んでいる。Skypeが携帯型IP電話の先駆けとなるのか? その影響についても注目しておきたい。
そして、おまけ。この記事をまとめている時に気がついたのだが、Windows Mobile版のSkypeをイーモンスターに入れていることを思いだした(汗)。今回、iPod touchをiPhoneに一歩近づけたいという気持ちですっかり忘れていたのだが、こちらの方が多分簡単に携帯IP電話が実現するはずだ。道具に使われた感があるが、まあこれも一興ということで……。
著者紹介:松本淳
ネットベンチャー・出版社・広告代理店等を経て、現在、東京大学大学院情報学環修士課程在籍。ネットコミュニティやデジタルコンテンツのビジネス展開を研究しながら、デジタル方面の取材・コラム執筆、映像コンテンツのプロデュース支援活動を行なっている。米PMI認定PMP・デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士。
