観客数は鈴鹿の1/1000だった……
それにしても観客が少ない。メインストレートの向かい側に見えているグランド・スタンドもガラガラだ。試しに観客数を数えてみたら、51人しかスタンドにいない。こっちのビューイング・テラスを合わせても70人強ってとこか。これが世界選手権だと思うと、ちょっと悲しい……。
気を取り直して、少し写真を撮ってみる。こう見えても僕は、ちょっとだけだがモータースポーツ・カメラマンとして仕事をしていた時期もあるのだ(僕が全撮影したフォーミュラ・ニッポンの単行本が2冊出ています!)。
しかし、いまいちパリッとした写真が撮れない。もともとホームストレートというのは撮影が難しいうえ、視界が限られているので、走るバイクへのカメラ追従が困難な位置にビューイング・テラスが設置されているのである。観客の入場が許されているのは、このパドック・エリアとグランド・スタンドの2箇所しかない。パドックとグランド・スタンドを結ぶ、アンダーパスすらないのだ。
通常のレースは、最長でも2時間なので、パドック・エリアかパブリック・エリアのどちらかを選んだら、観戦場所の移動は困難だろう。なぜなら入場ゲート外へ出て行って、ぐるっと外を回ってなので片道30分以上はかかるからだ。
サーキット名物の売店もありません!
写真がうまく撮れないレイアウトのサーキットに意気消沈した僕は、ご飯を食べることにした。カイロ空港での発券トラブルにより、朝から何も食べていないのである。しかし、なんといってもここは観客70人(推定)である。売店はなく、パドック・エリアにカフェテリアが1軒あっただけだ。
そのカフェテリアも、見事にガラガラである。一応、世界選手権用に仮設テントで増設してあるようだが、全くそんな必要なし。料金表が出ていないのも、なんともアラブ風だ。店員に聞くと1回取りきりのセミ・ビュッフェで、どれだけ取っても60リアル(1800円)とのこと。パブリック・エリアの入場料(50リアル)より高い。
まあ、食いまくれば良いか、と思ってまずペプシをカップに注ぐが、何と合うサイズのキャップが準備されてない! ドリンクのカップは1種類しかないのに、全く違うサイズのキャップが2種類準備されていた。うーん、なんともアバウト……。
(次のページへ続く)