制作環境はKORG派? それともROLAND派?
―― 「4つ打ちリズムと初音さん」にも「KORG派か、ROLAND派か」というシーンがありました。使っているギターやアンプ、録音機材を教えてください。
若干P ギターはフェンダー系が多いですね。ストラトキャスター、テレキャスターを使ってます。テレキャスは改造していて、フロントピックアップがデュアルモンドだったりビグスビーがついていたりします。センターに入れたときの音が変わってていいです。
アコギは大学時代にローンして買ったGIBSON J-50です。後期授業がはじまる直前に後期授業が憂鬱で買いました(笑) おかげで人生がバラ色でした。大学時代に一生物を買うと、一緒に年をとれるからいいですよ。一緒に枯れていくんです……
ベースも自分で弾いてるんですが、こっちはフェンダージャパンのジャズベースです。高校生のとき、修学旅行にお小遣い持っていったけどほとんど使うことがなかったので、代わりにこれを買いました。
「ROLAND派かKORG派か」ということで言えば、基本はギタリストなんでエフェクターはROLAND派です。今もBOSSのエフェクターがいろいろ足下に転がっています。でもニンテンドーDSの「KORG DS-10」は結局買いました。
よく活用しているエフェクターは「OD-3」と「CE-5」。割と最近発売された「DN-2 Dyna Drive」も持っていて、ちょっと使ってたこともありましたけど2軍落ちしました(笑) ギターの歪みという意味で要になってるのはPROCOの「RAT2」ですね。
テレパステレパスはライン入力から、プラグインで音作りをしています。ソフトは「Amplitube 2」です。歪みは全てPC上で作っています。ただ、ライン録音はフィードバック録音が出来なかったり、微妙な空気感が伝わりづらいんですよね。最近はすごい良くなったので空気感はすごいんですけど、マイクで録るとやっぱり独特の音になるので。
それ以外の初音さんの曲は、全てアンプを鳴らしてマイクで録音しています。でもさすがに大きい音が出せないので、それなりの音量になってしまうんですよ。でも、そこで別のアンプシミュレーターで、アンプシミュレートは「オフ」、スピーカーシミュレートを「オン」にすれば、マイク録りでもそこそこの音で録音できます。
小さい音をスピーカーでマイクで録るとパリパリしちゃうんですが、それがなくなります。ダイナミックマイクは「SM57」、コンデンサマイクはAKG「C3000B」を使っています。コンデンサマイクはアコギで使っています。
DAW(デジタルオーディオワークステーション)のシステムは「protools LE 7.3」なんですが、それを導入するまではMTR(マルチトラックレコーダー)派だったんです。大学時代はバンドの音とかも録音したかったので。今もミキサーやエフェクターで大活躍してるMTRのROLAND「VS-1824」を使っていました。
そのマイクモデリングのリファレンスマイクがC3000Bだったんですよね。そのマイクを元に、色んなマイクをシミュレートできるエフェクターがたくさん入っていたんです。
―― 作業環境はMacをお使いなんですよね。
若干P iMacを使っています。Mac OS 10.4でも、十分現役です!(笑) もう買ってから2、3年は経ってますね……。でもやっぱり今回の最新iMacにはかなり心揺れました。メモリが詰めるし、OS 10.5ならprotools LE 8にできるしなあとか。
でもアップデートとかいつも緊張するんで、現状のシステムでやれるだけやります(笑) アクティベートとか心臓止まりますよね。
―― 長くなりましたが、最後にリスナーの方に一言いただければと思います。
若干P 今はウェブと他のメディアがミックスされ、色んなことがこれから変わっている状況です。その中で、あくまで「フラットな視線」を心がけたら、何かこれからも面白いことができるんじゃないかなあと思っています。
ジャンルとして「鉛筆の芯がすごいすりへっている」ようなことに気づけるんじゃないかと思っているんです。
すりへった芯をくるっとひっくりかえして、芯がまだ尖っているほうに直すことができたり。そのことでまた新しい感じのものを書けるようになったり、「こんな鉛筆もう削っちまえ!」と思えたり。「もう太い線しかかけないよう」と気づいたら、こっそりひっくり返すようなことができるんじゃないかと。
多分みんなが心の中では思ってるはずなんです、「わあいま鉛筆大分すり減ってるなあ、だれかひっくり返さないかなあ」って。だからその鉛筆の角度を一度でも回転させるのに貢献できてたらうれしいなあと。
僕は絵も下手だし、曲だってまだまだなのに、こんなにたくさん見てもらえるのもインターネットならではのことです。本当に感謝しています、ありがとうございます。