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初音ミクという「ロック」を生んだ若干Pに聞く

2009年04月10日 13時00分更新

文● 編集部

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アングラカタログとの出会い

―― まだその時点では初音ミクを使ったことはなかったんですよね。

若干P 持っていませんでしたが、DTMやDAWの知識はあったのでそこからストーリーを思いつきました。初音ミクが現実にいたらこんなことがあると思う、というのをそのままマンガにしたんです。その分、すごく現実味のある感じで描いてみたらどうだろうと。

 pixivで他の初音ミク関連の絵やマンガを見ていると、皆さんすごく可愛らしくて、キラキラした感じだったんです。それと違い、ちょっと距離を置いたところからフラットな感じで描いてみたんですね。「ボーカロイドはピッチが狂わない」というのも、人間の声もソフトで調整すれば同じことになるなあ、とか。

 それをいざアップロードしてみたら、ランキングで当時1位になってしまったんです。これはまったく予想していませんでした。

「4つ打ちリズムと初音さん」より。ネットオークションで売られていた「初音さん」を新しい作者が「買い取る」という内容だ。ストーリーは現実的というか、思わず胸が苦しくなってしまうほど切ない。全文が読めるのは今のところpixivだけだ


―― pixivで1位とは! コメントも膨大だったのでは?

若干P 当時はまだ、今みたいに会員数がものすごい数ではなかったんですが、それでも自分には分不相応なおどろきでした。1位になったのがちょうど4月1日だったので嘘かと思いました(笑)

 コメントは200件くらい頂きました。初音ミクでこうしたテイストの漫画というのが新鮮だったみたいでした。ここまでみんなが熱くなる初音ミクって一体何なんだ、初音ミクシーンの凄さって何なんだろうと。

pixiv「4つ打ちリズムと初音さん」に寄せられたコメントの一部。「何度読み返しても切ない」「健気すぎる」「ラストは本当に衝撃的でした」といったコメントが並ぶ

 これだけ多くの人にマンガをみてもらえたことだし、「初音さん」でこそっと1曲だけアップしてもいいかなと思ったんですね。一定の人が気づいて「あ、(初音ミクを)買ってあげたんだ」って思ってもらえたらいいのではないかと。

 ただ、初音ミクを買うのには若干の抵抗がありました。やっぱり個人的にもあのキャラクターが強い感じがあるんだろうなあと偏見で思っていて。

 その偏見を払拭してくれたのがVOCALOID・アンダーグラウンド・カタログでした。やばい、これはすごく面白いぞと。


―― そこでアップしたのがデビュー作「キミリサイクル」だったんですね。

若干P そうです。「アングラカタログを見るような人はもしかしたらこういう変な曲も聴いてくれるかもしれない」と思いました。あわよくばこのカタログに掲載されたいと思ってアップすることを決めました。

 まだ再生数も300回くらいで、そのうちにマイリストやコメントがじわじわと増えてきたんですね。とはいえホームページにオリジナル曲をアップしていたときの再生数が1年で100回くらいだったことを考えると、とんでもないことだったんです。

 だからもう1つ動画を上げたらコメントを読む楽しみが2倍になるなーと思って(笑) そこで2曲目「アイシンクアンシン」をアップしたら、これがなぜかデイリーのランキングに入ってしまったんです。

 アングラカタログは再生回数1万回以下の動画を紹介してるんですが、アップした日の内に1万再生を超えてしまいました。逆に「アイシンクアンシン」をアップする直前になって、「キミリサイクル」が「アングラカタログ PART8」に掲載されたんです。

 それがもう気づけば去年の6月のことなんですが、そこから目をかけてもらった人たちとマッタリとした交流がはじまりました。知り合ったきっかけはボーカロイドでも、ボーカロイドと関係ない音源にギターサウンドを提供したりということもありました。

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