20%をホワイトスペースにする
テキストも図形も大きくすればするほど目立ってわかりやすいと思われるかもしれませんが、そうでもありません。
同じ内容を同じレイアウトで表わしても、スペースに余裕がないと理解するのに時間がかかり、ストレスを感じてしまいます。
→→→ 余白を作って、スペースに余裕を持たせる
「5枚プレゼン」で企画書を作成するとき、図形やテキストを入れない余白のエリアを意識して設けるようにしましょう(これをホワイトスペースといいます)。見当としては、だいたい全体の20%くらいを余白にします。こうすると、あとの80%に描かれている情報に意識が集中しやすくなります。
上の2例のようにブロック(箱)を使ってフローで流すやり方をとるときは、意図的にテキストを四角く囲まない部分を作るといいでしょう。そうするとその部分だけが目立ちます。
→→→ 図形外の空間にテキストを入れた方が目立つ
こうした図解企画書では、「大きく見せる」部分と「じっくり読ませる」部分とを明確に分けます。最初に見た瞬間に「大きく見せる」に意識が集中するようにし、それ以外の内容は「あとで時間があったときにでも読んでおいてください」くらいの潔さで描き分けます。
「大きく見せる」と言いましたが、デザインでは形と色次第で、物理的には小さくても「大きく見せる」ことは可能ですし、そのほうがセンスよく、言いたいことをアピールできることも確かです。
→→→ 「大きく見せる」と「じっくり読ませる」
レイアウトの違いとメリハリ
前ページの2組4点で「1枚企画書」と「5枚プレゼン」の表現の違いを比較した。盛り込まれた内容は同じだが、「1枚企画書」の形式が5枚続くと、最初から最後までメインディッシュが並んだように見える。図形で 囲む部分とそうでない部分とを意図的に描き分け、20%程度のアキを設けるようにしたい。
本ページの2点は、強調したいテキストをあえて図形外に出したもの。色と太さで強調すれば、かえってその部分だけが目立つことになる。

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