トップとボトムの使い分け
「要約」の意味合いで書き入れるのはトップばかりとは限りません。企画内容をすべて完成し終えたあと、一番下に全体の総括として記載する形式も考えられます。これを「トップ型」に対して「ボトム型」と呼ぶことにしましょう(右図)。
ただしボトムを重くすると、人間の視線(と理解)の優先順位は上なので、バランスが悪く見えてしまいます。
右図の例では、トップに「SOLUTION/解決法」というタイトルが入っているので、ボトムが重くなるというバランスの悪さをカバーしています。
トップとボトムが呼応した「問答形式型」
同じくボトムが重くなってバランスが悪くなるという点を補うには、トップとボトムに目立つようテキストを書き入れ、たとえば「問題提起」と「結論」のように呼応した関係にするといいでしょう。
企画というのは「問い」に対する「答え」と説明しましたが、これをそれぞれのページで行おうというものです。こうしたサンドイッチタイプを「問答形式型」と呼んでおきます(上図2枚)。
次のページに誘導する「つなぎ言葉型」
「5枚プレゼン」では1枚1枚がつぎのページに構造上、連動しているので「それを解決するには……」というように続くページへと誘導するフレーズを一番下に書き入れる「つなぎ言葉型」という形も考えられます。上図がその一例です。
トップとボトムのタイトルの入れ方
前ページのサンプル2点は「トップ型」の例である。「与件の整理」や「企画の背景」といった項目タイトルだけだとそこで考察している企画内容まで想像できないので、こうした呼びかけや疑問形で注目を引く方法は効果的である。
本ページの中段2点は「問答形式型」で、ほとんどの形が以上の2タイプに分類される。
同じく本ページの最初の例は「ボトム型」で、最後は「つなぎ言葉型」である。見た目は同じようだが、両者の違いは、前者がそのページを要約したフレーズを書き入れるのに対し、後者は次のページを予告するフレーズを記載してある点にある。

この連載の記事
- 第10回 「5枚プレゼン」の実際――書籍出版やスムーズな会議進行
- 第9回 スパム撃退や店舗出店企画――続・実例で学ぶ「5枚プレゼン」
- 第8回 経営改革・新サービス企画書――実例で学ぶ「5枚プレゼン」
- 第6回 「1枚でなければ、5枚!」良い企画書の条件
- 第5回 これぞ完璧企画書――「1枚企画書」パターン実例3題
- 第4回 プッシュ型提案書で通せ――「1枚企画書」パターン実例3題
- 第3回 パターン別実例で「1枚企画書」を掌握――報告書3題
- 第2回 「1枚企画書」の発想や論理をアリ・ゾウで理解!
- 第1回 「1枚企画書」のすすめ PowerPoint大胆活用術
- パワポで勝つプレゼン! 極めろビジネス極意
- この連載の一覧へ