豪奢で細部まで気を使ったデザイン
フォルムこそシンプルだが、デザインテイストはかなり豪奢だ。天板の本体手前にくる部分には、光沢を演出するためにガラスがはめ込まれ、それ以外の天板はヘアライン加工が施された、上品な仕上がりとなっている。
今回試用したのは、黒く染色したアルミを利用した「オニキス」。対して、アルミシルバーの質感を生かした「パール」では、ヘアライン仕上げではなく、細かな幾何学模様が彫り込まれている。色だけでなく加工そのものを変えているというのは、PCとしては珍しい。
本体を開いてみても、高級感は揺るがない。スクエアなフォントフェースを使った独自デザインのキーボードが目を引くが、それ以外のデザインは「高級感のあるシンプルさ」で統一されている。タッチパッド表面には、波紋を思わせる加工がほどこされていて、デザイン上のアクセントとなっている。
一般的なPCには、インテルやマイクロソフトの「証紙」ロゴが貼りつけられている。だが、Adamoはそれが目立たない場所にある。キーボード面ではなく、本体裏の「Dellロゴ」のレリーフに、一緒に彫り込まれているのだ。ロゴシールでデザインを台無しにしない、なかなか乙な配慮である。余談だが、どうやらマイクロソフトやインテルも最近は、「目立たない場所へロゴシールを移動させる」ことに寛容になってきたようで、いくつかの製品で「デザインを阻害せず両社のロゴを配置する」ものが出始めている。日本では「VAIO type P」がそれで、シールをバッテリー収納部に貼る形で出荷していた。
本体側面には、端子類がほとんどない。唯一、本体右にヘッドホン端子と内蔵のSIMカードスロット(HSDPA対応3G通信カード用)が見えるだけで、ほぼ「板」の外観を保っている。端子類はすべて背面にまとめられており、ここから、EthernetやUSB、eSATAなどが接続できる。電源コネクターもこちら側だ。本体左右にある「穴」をあしらったデザインは飾りではなく、スピーカーや吸排気口の穴である。デザインと実用性が一体となった巧妙な仕組みである。
ちなみに、外部ディスプレー出力はDisplayPortのみ。DVI-Dへの変換コネクタが別途付属する。アナログ出力はないので、プレゼンテーション時にプロジェクターなどに接続するといった場合には、苦労することもありそうだ。
気に入ったのが、本体付属のACアダプターの軽さと小ささである。ACプラグ部は折りたたんで収納できるうえに、サイズもiPod Touchが分厚くなった程度とかなりコンパクト。当然デザインも、Adamo本体と対になるよう工夫されている。
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