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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第21回

美しき超薄型ノートAdamoの○と×

2009年04月08日 16時00分更新

文● 西田 宗千佳

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豪奢で細部まで気を使ったデザイン

 フォルムこそシンプルだが、デザインテイストはかなり豪奢だ。天板の本体手前にくる部分には、光沢を演出するためにガラスがはめ込まれ、それ以外の天板はヘアライン加工が施された、上品な仕上がりとなっている。

Adamoの天板

Adamoの天板。ヘアライン加工のアルミ部分と光沢のあるガラス部分を組み合わせて、平板になりがちな天板にアクセントを付けている

 今回試用したのは、黒く染色したアルミを利用した「オニキス」。対して、アルミシルバーの質感を生かした「パール」では、ヘアライン仕上げではなく、細かな幾何学模様が彫り込まれている。色だけでなく加工そのものを変えているというのは、PCとしては珍しい。

 本体を開いてみても、高級感は揺るがない。スクエアなフォントフェースを使った独自デザインのキーボードが目を引くが、それ以外のデザインは「高級感のあるシンプルさ」で統一されている。タッチパッド表面には、波紋を思わせる加工がほどこされていて、デザイン上のアクセントとなっている。

Adamoのキーボードとタッチパッド

Adamoのキーボードとタッチパッド。パッド表面にも波紋のような加工が

 一般的なPCには、インテルやマイクロソフトの「証紙」ロゴが貼りつけられている。だが、Adamoはそれが目立たない場所にある。キーボード面ではなく、本体裏の「Dellロゴ」のレリーフに、一緒に彫り込まれているのだ。ロゴシールでデザインを台無しにしない、なかなか乙な配慮である。余談だが、どうやらマイクロソフトやインテルも最近は、「目立たない場所へロゴシールを移動させる」ことに寛容になってきたようで、いくつかの製品で「デザインを阻害せず両社のロゴを配置する」ものが出始めている。日本では「VAIO type P」がそれで、シールをバッテリー収納部に貼る形で出荷していた。

本体裏面

吸排気口やスロットもなく、すっきりした美しい裏面。見えにくいが、中央のロゴパネルの左右にWindowsロゴとIntelロゴが印刷されている

 本体側面には、端子類がほとんどない。唯一、本体右にヘッドホン端子と内蔵のSIMカードスロット(HSDPA対応3G通信カード用)が見えるだけで、ほぼ「板」の外観を保っている。端子類はすべて背面にまとめられており、ここから、EthernetやUSB、eSATAなどが接続できる。電源コネクターもこちら側だ。本体左右にある「穴」をあしらったデザインは飾りではなく、スピーカーや吸排気口の穴である。デザインと実用性が一体となった巧妙な仕組みである。

背面の穴は単なるデザインではない

背面の穴は単なるデザインではなく、スピーカーや吸排気口を兼ねている。この角度では、キートップが軽く湾曲しているのも分かる

本体前面

本体前面。穴やスイッチ、LEDの類は一切ない

本体背面

唯一端子類の並ぶ背面。左からLAN、eSATA/USB、USB×2、DisplayPort、電源

 ちなみに、外部ディスプレー出力はDisplayPortのみ。DVI-Dへの変換コネクタが別途付属する。アナログ出力はないので、プレゼンテーション時にプロジェクターなどに接続するといった場合には、苦労することもありそうだ。

 気に入ったのが、本体付属のACアダプターの軽さと小ささである。ACプラグ部は折りたたんで収納できるうえに、サイズもiPod Touchが分厚くなった程度とかなりコンパクト。当然デザインも、Adamo本体と対になるよう工夫されている。

Adamoの付属品

Adamoの付属品。左からDisplayPort DVI変換コネクター、ACアダプター(折りたたみ式プラグ部を外した状態)、電源ケーブル

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