フルHDの動画撮影に対応
X2からの最大の変更点は動画撮影に対応した点にある。キヤノンのデジイチの中では昨年発売されたEOS 5DMark IIに続いての動画機能の搭載だ。
動画の撮影解像度は1920×1080ドット、1280×720ドット、640×480ドットの3種類が設定できる。1920×1080ドットでは、コマ数が秒間20コマ、1280×720ドット以下では30コマで記録できる。1回あたりの記録時間の制限はなく、電池とメディアの容量限界まで撮影可能だ。
動画の記録中にもAFの動作ができる。ただし、レンズキットに付属する低価格なレンズだとピント合わせ時の駆動音が記録されてしまうのが難点。この点はレンズによって駆動音の差が出るので、超音波モーター採用のレンズで撮るのがお薦めだ。
動画の記録フォーマットは.mov(H.264)形式で、音声はリニアPCM(モノラル)。動画記録中は絞りやシャッタースピードの調節はできず、完全なプログラム状態になる。ISO感度もオートで制御されてしまう。
なお、メーカー借用機材でのサンプル撮影画像を掲載するが、機材は製品前の試作機(ベータ機)である。本記事のすべてのサンプル画像、動画は実際の製品の画質とは異なる可能性があるのでご留意いただきたい。
動画撮影サンプル
上記はサンプル動画から切り出した静止画だが、実際の動画(約30秒)は以下からダウンロードできる。すべてZIP形式で圧縮してあるので、ローカルパソコンなどにダウンロードして展開していただきたい。
再生にはQuickTimeなど「.mov」(H.264)形式対応の再生ソフトが必要となる。また、ファイルサイズが大きいため、ネット環境によってはダウンロードに時間がかかるのでご留意いただきたい。
上記は動画から静止画を切り出した画像。動画の画質はかなり高く、暗い場所では多少のノイズが出てしまうものの、一般的なコンシューマー向けのビデオカメラよりはノイズの少ない滑らかな階調の絵を撮ることができる。
APS-Cサイズとはいえ、ビデオ用の撮像素子に比べて大きいため、画質性能ではかなり有利だ。1920×1080ドット記録時には秒間20コマになるという制限も、動画を見た限りでは問題なく、よほど動きの大きなものでなければ気にならないだろう。