iidaといっても飯田橋とは関係ありません
auの新ブランドはデザイナーとコラボするケータイ
2009年04月07日 20時37分更新
文● ゴーズ(小林誠、今西絢美)、岡本善隆/ASCII.jp編集部
前衛芸術とケータイがひとつになったら
こんなのになりました
iidaのArt Editionは、ケータイを現代アートへと導く試みだ。最初のプロダクトは前衛美術家の草間彌生氏による3作品。草間氏は幼い頃から水玉と網目を用いた幻想的な絵画を制作しており、独創的な作品がアート界に衝撃を与え続けるアーティストである。
今回の3作品は草間氏が過去に発表した作品を原型として制作されており、ケータイとしての機能性を損なうことなく、アート作品としてのクオリティーも持ち合わせたものに仕上がっている。
ケータイとボックス型の置き台がセットとなった「ドッツ・オブ・セッション、水玉で幸福いっぱい」は、草間氏が1965年に発表した「無限の鏡の間―ファルスの野」を再現。箱を開くとドットの中にセットされたケータイが出現する。ボックス内部は鏡になっており、ケータイをセットした状態で穴からのぞけば赤と白のドットの世界が楽しめる。ボックスは充電台としての役割も果たす
端末の表面には砂利道のようなデコボコが施されており、持ち歩きに便利とは言いがたい。付属のストラップももちろん水玉模様である
端末を開けた際に見えるヒンジ部分にも水玉が施されている。赤と白の水玉のボディはとにかくインパクト大
鮮やかなカラーの犬のオブジェ作品「私の犬のリンリン」には背中のフタを開けると犬と同じ柄のケータイが収まっている。一見してケータイの置き台とは思えない。端末本体にもショッキングピンク地に大小さまざまな白い水玉が描かれている
ケータイをハンドバックに見立てるという斬新な発想の「宇宙へ行くときのハンドバック」。ケータイにハンドバックの持ち手が付属しているデザインは、女性がパーティに行く際や通勤バックのアクセントとしてコーディネートの幅を広げるアイテムになりえる。人に見せて歩くことが可能な新たなポータビリティを秘めた作品だ
まだプロトタイプとしての発表ではあるが、「ドッツ・オブ・セッション、水玉で幸福いっぱい」が100万円前後、「宇宙へ行くときのハンドバック」が10万円前後の価格だと予想される。ケータイ端末としては非常に高価だが、これはもはや世界的に活躍する現代アーティストの芸術作品として考えるべき製品なのだろう。