Core 2 Duo T7500との差は3~5倍!?
まず、HDR-CX12からの動画取り込みと変換には、カメラ付属のソフト「Picture Motion Browser」を使用した(Version 4.2.10)。
このソフトはビデオカメラ本体やメモリースティックに記録された動画/静止画の取り込みから、変換や簡単な編集、DVD/BDへの書き出しが行なえる統合ソフトだ。多機能なのは結構、と言いたいところだが、カレンダー型表示とか顔認識での分類などは、筆者にはまったく不要で、使いづらいソフトでしかない。幸い、取り込みだけを行なうツールもあるので、自宅ではこちらだけ使っている。
テストではPro7000とFZ90で同じ49本の動画を取りこんだ後に、その動画すべてをMPEG-2に変換した。元の動画は1440×1080ドット/16:9/平均9MbpsのAVCHD形式(.m2ts)である。それを「高画質設定」のMPEG-2に変換。変換後のMPEG-2ファイルは、720×480ドット/16:9/平均9Mbpsになる。
両者の環境を整えて、一斉にテストを開始したが、初っぱなから進行度を示すバーの伸び方が大違いで、思わず笑ってしまった。FZ90が1本変換を終えた頃には、Pro7000は5本の変換が終わっていたほど。最終的に、Pro7000は16分ほどですべての変換を終えた。FZ90のほぼ3倍の速さだ。
Pro7000 | VGN-FZ90HS | |
変換に要した時間 | 約16分 | 約46分 |
Picture Motion Browserでの変換中、タスクマネージャーで負荷を見ていると、どうやらこのソフトは変換処理には2スレッドしか使わないようだ。Core i7はクアッドコア×ハイパースレッディングテクノロジーにより、8つの論理CPUを持つ。しかし、変換中は常に2つのCPUだけ負荷が高く、それ以外はほとんど使われていない。
FZ90がまだ終わらないので、ついでにTMPGEnc 4.0 XPressでも変換させてみることにした。素材は同じビデオ49本で、変換後結果も等しくなるよう、出力設定を調整した。
TMPGEncでの変換は8つのCPUすべてが均等に使われる。しかし画質を重視した変換設定なので、処理時間は約17分と、Picture Motion Browserよりかかった。それでも、FZ70では先の変換が終わらないうちに、Pro7000はTMPGEncでの変換も終わってしまうほどだった。
トランスコード中もCore i7は余裕
Picture Motion BrowserとTMPGEncの2本で変換処理をしてみたが、どちらの処理中もPro7000のCPUは余裕があった。それこそ、変換中にゲームをしていても問題ないくらいだ。対するFZ90は、変換ソフト以外は快適に動かす余裕がない。CPUのアーキテクチャー、クロック周波数、コア数のどれもが大きく異なるので、この性能差は当たり前だが、ここまで違うと実際の処理も雲泥の差だ。
なにをやらせても快適というのは気分がいい。なにより、並行してほかの作業が快適にできるのは、ユーザーの時間を無駄にせずに済む。パソコンで地上デジタル放送を録画するユーザーも徐々に増えていると思うが、地デジのようなヘビーなアプリケーションこそ、Core i7のパワーがものを言うだろう。