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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第67回

ケータイに高速伝送機能が付いたらできることとは何か?

2009年04月04日 13時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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くっつけるように近づけて用いるTransferJet

 TransferJetの特徴を改めて確認しておこう。

  • かざすだけで通信が出来る簡単な操作性
  • 3cmという近接距離でしか使えないので逆に安全
  • 560Mbpsという高速通信に対応する

という3点が挙げられる。

KDDI 上月氏

KDDI 上月氏

 上月氏はこれまでケータイが持っていた通信と比較して、特に1番目の点を強調する。

 「Bluetoothなどの無線通信規格をケータイに搭載してきましたが、ペアリングが必要であったり『範囲内にあればよい』という通信手段のわかりにくさがありました。一般ユーザーにとってはハードルが高かった。そこで、ユーザーの想像の範囲内で触れるだけで通信ができる、というわかりやすい通信規格として期待しています」(上月氏)

 ケータイがこのような高速大容量の通信規格を手に入れる意味は何だろうか? そこにはケータイが扱うデータ量の増大が関係している。たとえば着うたは初期の128kbps、30秒程度から楽曲フルコーラスで320kbpsへとコンテンツの長さとクオリティーを高めている。データサイズで言えば、150KB程度から10MB近くまで増大しているのだ。

 コンテンツがリッチになるに従って増え続けるトラフィックを、いかにストレスなく快適に、インフラとしてリーズナブルにまかなうか。「数年後の備えとして何らかの手段を用意しておく必要がある」と上月氏はTransferJetをケータイに搭載する役割と期待を説明する。

ソニーのTransferJet

2008年、発表直後のソニーによるデモではPCのほか、デジタルカメラ、デジタルビデオなどにこの技術を導入し、データ転送をする様子が見られた

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