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山谷剛史の「中国IT小話」 第42回

中国発独自光メディア技術が羽ばたかない理由

2009年04月07日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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「HD DVD」は中国で生きている?

HDMIを実装し、1080p出力ができる「CBHD」

HDMIを実装し、1080p出力ができる中国の「CBHD」プレーヤー

 世界的な「ブルーレイ」との戦いに敗れた「HD DVD」は、2007年9月に中国版HD DVDこと「CH-DVD(China HighDefinition DVD)」という名称で中国にニュースとして登場し、その後2008年2月にCH-DVDを「CBHD」に改名。

 CBHDのメインプレーヤーのメーカー「新科(Shinco)」は、同社のページでCBHDがHD DVDが源流であることをまったく書かず、独自の技術であることを強調している。

 ちなみにこの新科というメーカーは、EVDのメインプレーヤーだったが、EVD2の登場で引きずり下ろされた経緯がある。現在、別のEVDのメインプレーヤーの企業は「まだEVDにチャンスはある!」とコメントしているが、新科は同社のEVDプレーヤー製品を掲載していない。

 筆者が時間軸で中国の新技術を見るに、EVDの失敗、EVD2の登場あたりから、中国人の新技術発表に対する不信度に拍車がかかったように思える(ちょうどこのとき、中国発独自と謳ったCPUがねつ造だとバレた事件もあった)。

 そんなわけで、北京五輪で鳴り物入りで登場した中国3G規格「TD-SCDMA」(関連記事)もまた、今は端末が半ばタダで放出される状態となっている。最近の新技術であるNVDは、もはや中国でも殆ど報じられていないし、NVD大本営のウェブページすらなく、それだけでも「出すだけ出して終了」という思惑を感じる。

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