ブラウザーによって差異の出るWebページの表示テストを効率化したいWeb制作者に朗報だ。マイクロソフト製のブラウザーテストツールが、3月に米国で開催された“MIX09”(関連記事)で発表された。現段階ではInternet Explorer(IE)6~8の表示テストが可能で、正式版ではFirefoxやSafariもサポートする計画だという。
新ツールの名前は、「Expression Web SuperPreview」。現在、最初のプレビュー版「Expression Web SuperPreview(March Preview)」が、同社のブログで公開されている。正式版は、Webオーサリングツール(Dreamweaverの対抗製品)の次期バージョン「Expression Web 3」に同梱される予定だ。
このSuperPreviewを使えば、通常は共存できない、異なるバージョンのIEレンダリングエンジン(Trident)による表示結果を、同じウィンドウに同時に開いて確認できる。さらに、FirefoxのWeb開発者向けアドオン「Firebug」のように、ページ中の特定の要素をクリックしてHTMLタグやID名、サイズを調べたり、ガイドラインを引いて位置のズレを確かめることもできる。意図どおりに正しく表示されているかをチェックする目的だけでなく、他のWebページのレイアウトを参考にしたい場合にも使えるツールだ。
これまでブラウザーテストといえば、「IETester」(関連記事)や「Multiple IE」などのサードパーティ製テストツールを使うか、仮想マシン環境に複数のIEを揃える必要があった。SuperPreviewの正式版が登場すれば、主要ブラウザーのチェックがこれ1本で済むことになり、Web制作者の作業効率化に大いに役立ちそうだ。
なお、SuperPreviewで表示可能なIEのバージョンは、WindowsにインストールされているIEによって異なるので、以下を参照してほしい。また、現在のところ、Windows 7では一部制限がある(IE6の表示ができない)。
インストールされているIEのバージョン | SuperPreviewで表示できるIEのバージョン |
---|---|
IE6 | IE6のみ |
IE7 | IE7、IE6 |
IE8 | IE8 、IE7(IE8による互換表示)、IE6 |
