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遠藤諭の「0(ゼロ)グラム」へようこそ

テレビとパソコンは同義語になる

2009年03月26日 06時00分更新

文● 遠藤諭/アスキー総合研究所

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 麻倉怜士氏のトークでは、スーパーハイビジョンや超高音質の世界が生理的にどんな影響を与えるのか、身体論的機械としてのテレビがどこまで進化するのかという議論が面白かった。テレビはネットに行くとしても、生身の人間とテレビ受像器の間で、テレビ体験というものは起こるからだ。テレビでハイビジョンで見ている番組を、お金を払えばスーパーハイビジョンで見れるというような、具体的なサービスのイメージのお話もあった。

 ネットが映像であふれた時代には、自分の感動できる映像をどう探し出してくるかが重要になる。麻倉氏は、どこの他人か分からないレコメンド情報や協調フィルタリングなんかより、自分の分身(エージェント)がネット上に何匹もいるのが理想だという。だとしたら、それは評価関数を持っているというよりも、自分に代わって感動してみた結果を報告するというのはどうだろう。一緒にテレビを見る彼女のエージェントと交配してやれば、2人で楽しめる映像を探し出せるかもしれない。「感動チューリングテスト」※2のような話も出てくるくらい、そのエージェントと麻倉さんの見分けが付かなくなるような世界が来たら楽しそうだ。

※1 自由視点テレビ
複数のカメラで撮影して空間内のどの位置から見た映像でもリアルタイムに生成できる映像システム。
※2 チューリングテスト
英国の数学者アラン・チューリングが考案した人工知能を評価するための仮想実験で、壁越しにタイプライタで会話することによって行われる。

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