このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

対決!連写デジカメ ソニーHX1 vs カシオFC100

2009年03月25日 14時00分更新

文● 行正和義

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

快適な連写機能を楽しむカメラ

 操作性に関しては、かなり練られた印象を受ける。連写/高速動画用のスイッチの追加も、コンパクト機としての携帯性や操作性を損なっていない。またパスト連写などの機能も、クイックメニューから比較的簡単に設定できるのは、よくできている。

 実際に使ってみると、やはりその連写機能は快適。記録画素数が600万画素相当になるとはいえ、毎秒30枚の高速連写をポケット機で楽しめるというのは大きい。撮影後には連写画像から必要なものだけを選んで保存できるのだが、すべてを保存(全保存)しても約6~8秒程度で次の撮影が可能になる。

撮影サンプル1(右はその拡大) 静止画撮影の描写性は、コンパクト機としては特に問題ない。低感度域では暗部に若干ざらつきが生じるが、それほど気になるものではないだろう。撮影設定はプログラムオート、1/80秒、F3.6、ISO 100。元画像は3456×2592ドットで、掲載用に800×600ドットにリサイズとトリミング。レタッチはしていない。以下同

撮影サンプル2 発色はやや明るめの傾向にあるが、不自然さはない。撮影最短距離は通常約40cm、マクロ時約3cmだが、オートマクロ付きなので意識して切り替える必要はない。ベストショット「花を撮影」、1/800秒、F3.7、ISO 100

撮影サンプル3 高速連写では600万画素相当となってしまうが、よほどクオリティーを要求されるのでなければ細部描写も十分。プログラムオート毎秒30コマ連写、1/1000秒、F4.5、ISO 100。元画像は2816×2112ドット

撮影サンプル3の連写画像のうち、9コマ分を並べて

撮影サンプル3の連写画像のうち、9コマ分を並べて。動く被写体があればとりあえず連写してみたくなるほど、使っていて楽しいカメラだ

 モードによって最適な露出やシャッター速度を自動で選ぶ「ベストショット」機能には、高速連写を重ね合わせて手ぶれの少ない画像を生成する「HS夜景」「HS手ぶれ補正」がある一方で、露出を変えて複数枚撮影する「露出ブラケット撮影」がないのは残念なところだ。連写によってシャッターチャンスを逃すことはまずないだろうが、自動露出のミスなどで露出が合わないことはある。ベストショット機能として搭載してほしかった。

ベストショット内では連写画像から手ぶれの少ない画像を生成するHS手ぶれ、夜景のノイズを減少するHS夜景などのほか、撮影画像を重ね合わせるマルチモーションが新たに加わった

 FC100はF1やFH20の連写エンジンを日常的に携帯しやすいコンパクト機に収めただけのカメラではない。ふいのシャッターチャンスも連写で逃さず撮れる簡単な操作性を実現したのは高く評価できる。持ち歩いて楽しめる1台と言えるだろう。

ベストショットの「ムーブイン連写」を使用

ベストショットの「ムーブイン連写」で、FC100を無人撮影カメラのように使って鳥を撮ってみた。画面内に枠が表示され、この枠内に被写体が入り込むと自動で連写する。ペット撮影や線路脇での列車撮影などではかなり威力を発揮するだろう

 EX-F1などの“特殊な例”は除くとしても、オリンパスの「SP」シリーズなどのように、連写機能はロングズーム機を中心に、便利に使える機能として定着してきたようだ。DSC-HX1は、今まで連写機能をそれほど重視していなかったサイバーショットに連写機能を取り入れたことは大きいものの、簡便さを重視してか、複雑な連写系機能は盛り込まれていない。

 対してFC100は、パスト連写やパストムービーなど、同社連写コンデジに初めて触れる人は驚くほど、多くの機能を盛り込んでいる。連写機能に関しては、HX1よりもややマニアックな出来になっているのが面白い。

 ともあれ、記録画素数競争とは別の差別化軸として、連写機能は今後も注目される機能となりそうだ。

EX-FC100のスペック
撮像素子 1/2.3型 有効画素数910万画素CMOS
レンズ 光学5倍ズーム
焦点距離 f6.42~32.1mm(35mmフィルムカメラ換算時:37~185mm)、F値 F3.6-4.5
ISO感度 オート、ISO 100/200/400/800/1600
動画撮影 最大1280×720ドット、毎秒30フレーム、AVI(Motion-JPEG)形式
ディスプレー 2.7型ワイド(約23万ドット)
内蔵記録メモリー 約31.9MB
メモリーカード SDメモリー/SDHCメモリーカード
電源 リチウムイオン充電池「NP-40」付属
撮影可能枚数 約300枚
本体サイズ 幅99.8×奥行き22.6×高さ58.5mm
重さ 約145g(本体のみ)
予想実売価格 3万円台後半

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン