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初音ミクと歌手の距離は――cosMo×真優特別対談

2009年03月25日 15時00分更新

文● 編集部

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ボカロ向けの曲を歌う/歌ってもらうことについて

自主制作CD「少女の空想庭園」。ここに5曲の書き下ろしを加え、真優さんを歌手に起用したのが今回の「少女の空想庭園+」だ

真優 ボカロ向けという意識より曲自体が難しかったので、普段はしない「楽譜起し」という作業をしました。メロ部分で音が飛ぶ箇所が多いので、それを1つずつ譜面にしてチェック出来るようにするんです。

cosMo@暴走P もともとボカロをやる前はピアノ弾き向けのインストを作っていたので、どうしても転調があったり複雑なメロを組んだりしてしまうんですよね……

真優 「これはどこで息を吸うのかな?」とか。w

cosMo@暴走P すいませんww

cosMo@暴走Pの名を知らしめた代表曲「初音ミクの消失」。人間ではまずありえない早口で高速歌詞をまくしたてるのは初音ミクならでは。やはりボーカロイドの声を「音」としてインストのように曲作りを行なっているのだろう

真優 でも、難しかったけどめちゃめちゃ勉強になりました。今ではメロの音を細かくチェックしないとーって思うようになったし、譜面がないと不安で歌えなくなりました。

cosMo@暴走P ぼくの方でも、事前に歌ってもらってキーの調整とかを若干してはいましたね。メロの複雑さはそのままでいってしまいましたが。特に自分で組んだ分のコーラスワークのほうが難しくて、ホントすいませんでした……

真優 メインメロも複雑なのでコーラスやハモリが大変でしたが、みんなの力でなんとか!ww

cosMo@暴走P 実際、ボーカロイドと生声だと、かなり曲そのもののニュアンスが変わってくるんですよね。やっぱり生声は説得力があります。今回は特に「物語」ってことを意識して作っていたので、それもありますね。

 ボカロを使うときは、オケからして歌モノっぽくなくて、より技巧的なことを追求する方向で作ってるのでインストに近いです。

真優 あと、ボーカロイドは作者さんの心がこもっていて、表現してくれる自分の分身?なんですかねー。

アルバムのタイトルにもなった「少女の空想庭園」。他の代表曲と比べると速さはそれほどでもないが、音程をとるのは難しい

cosMo@暴走P そういうことになると思います。ボーカロイドを使う一番の理由はそこではなく「歌モノだけどインストっぽい楽曲が作れる」というところなんですが。

 ボカロだとどうしても歌詞に意味を込めるというよりは、より音として面白い方向に走りたくなってしまうので、そういう意味では自分にとっても今回の楽曲制作ではたくさん勉強させてもらいました。

真優 私は「ボーカロイドが歌っていた曲」とか意識はしてなかったんですよ。頂いた曲の世界をどう表現していこうかな、と。カバー曲もありましたが、それも「カバーしてるんだー」っていう意識もなかったです。ボーカロイドにはボーカロイドのよさがあると思うので、それはそれと割り切って考えてました。

(次のページ:アルバム制作について)

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