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WILLCOM 03でBluetooth GPSを活用する - その3/徹底活用編

2009年03月28日 18時53分更新

文● 山田道夫

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 地図の表示もベクターデータをあらかじめmicroSDカードなどに格納していることもあって非常に高速だ。試しに、「地図」→「GPS位置取得」→「実行」をタップして実際にはかってみたら、8秒ちょっとで測位できた。

 なお、「W-SIM位置取得」を選択すると、GPSの位置情報ではなく、W-SIMの位置情報からおおよそどの地域にいるかを表示してくれる。さらに、W-SIMを簡易GPSとして利用する機能も備わっている。GPSがない場合の簡易GPSがわりには便利だが、誤差もかなり大きい場合があるので注意が必要だ。高い建物が多い場合に電波をつかみにくいGPSとは異なり、都心の場合の方がPHSの基地局の密度が増えるため、精度は高くなる。たとえば、秋葉原などでは、GPSをその場で利用するのはかなり大変が、W-SIMを利用した場合、精度に多少難はあるが、おおよその位置をかなり速く表示してくれる。

秋葉原でのGPSとW-SIMでの位置情報の例。GPS(左)の位置はほぼ正確。一方、W-SIMでは数十メートルずれてしまっている

 なお、GPSを取得中に省電力設定になってしまうと、再開後でもGPSに接続できないという現象がみられた。Pocket Mapple Digitalを利用する場合は、「Today」メニュー→「設定」→「システム」→「パワーマネージメント」→「詳細設定」→「バッテリ使用時」で「次の時間経過後、節電状態にします」のチェックボックスを外しておく必要があるようだ。

 Pocket Mapple Digitalのメリットはたくさんあるが、なかでもいわゆるノーズアップ(北を上に表示する)だけではなく、ヘッドアップ(進行方向を上に表示する)が可能な点も魅力だ。ただし、GPSの電波の届き方が悪い場合などには、地図がぐるぐるまわってかえって見にくい場合もあるので、適宜表示は使い分けたほうがいいだろう。また、テキストを入力したり地図を画像としてメールに添付したりといった機能もある。

 Pocket Mapple Digitalでは、ルート検索などはできないが、住所検索、駅名検索は可能だ(別途データをインストールする必要はあるが)。

大縮尺から小縮尺までの表示。基本的にベクターデータだが、右のタブで色が変わるところを表示しようとすると、microSDカードにデータを置いている場合は、多少表示されるまでに時間がかかる

 このようにPocket Mapple Digitalは、ルート検索こそできないものの、実際にGPSをその場で利用するという場合には、たいへん使い勝手がいい。本稿で紹介してきたNAVITIMEやモバイルGoogleマップとは異なり、地図を表示する際に通信を必要としない点がすばらしい。ただし、あらかじめ地図データを切り出しておく必要がある点は、やや面倒といえば面倒だ。日常的に利用する場所を登録しておき、旅行や出張で出かける場合に地図を追加するといった使い方が一般的だろう。せっかくGPSを利用するのであれば、ぜひ検討したいソフトの1つだ。

 ちなみに、Pocket Mapple Digitalに関しては、機能を拡張するフリーウェアも公開されているが、これについてはまた場を改めて紹介したい。

(次ページへ続く)

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