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「Silverlight 3」ベータ版が登場

2009年03月19日 03時00分更新

文●小橋川誠己/企画報道編集部

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 マイクロソフトは、米国現地時間3月18日、ラスベガスで開催中のWeb開発者向けカンファレンス「MIX09」において、Silverlightの次期バージョンとなる「Silverlight 3」のベータ版を発表した。日本時間の19日午前2時から、米マイクロソフトのWebサイトで、Windows版/Mac OS版のランタイムがダウンロード可能になっている。

Silverlight

ダウンロードが開始された「Silverlight 3」のベータ版


デスクトップアイコンからSilverlightを起動する「Out of Browser」

 Silverlight 3の目玉は、「Out of Browser(アウト・オブ・ブラウザー)」と呼ばれる、デスクトップ上でSilverlightアプリを実行する機能。ブラウザー上で動くSilverlightアプリを簡単な操作でデスクトップやスタートメニューに追加でき、ネットワーク非接続時にもローカルキャッシュを利用して動作する。別途、Internet ExplorerなどのWebブラウザーを立ち上げることなく、Silverlightのランタイムのみで動作するという。ただし、この機能を利用するには、Silverlightアプリ側の改修が必要で、「特定のコードを追加すれば機能するようになる」(マイクロソフト)とのこと。

「Out of Browser」に対応しているアプリ(画面左)では、右クリックでインストールが選択できる。インストールが済むと(画面右)、デスクトップやスタートメニューからSilverlightアプリを実行できる(画面は都内で開かれた報道関係者向け説明会より)


 Silverlight登場時からの強みである、ビデオストリーミング関連の機能も強化された。Silverlight 3では、新たに「H.264」をサポート。また、全画面表示での高精細画質(HD)動画再生にも対応した。

 このほかの新機能としては、60個以上の新しいGUIコントロールの追加、3Dグラフィックのサポートなど、表現力の向上が挙げられる。また、「ディープ・リンキング」と呼ばれる機能によって、SEO(検索エンジン最適化)対策が取りやすくなったのも特徴だ。

Silverlight

Silverlight 3では、3Dをサポートするなど、表現力も向上している


開発ツールもアップデート、ついにMacでも開発が可能に!

 Silverlight 3ベータ版のリリースに合わせ、開発ツールもアップデートされている。

Silverlight

Expression Blend 3の新機能「SketchFlow」。プロトタイプデザインをブラウザー上で効率的にレビューできる

Silverlight

Expression Blend 3ではPhotoshopのデータをレイヤーを保持したまま取り込める

 まず、オーサリングツール「Expression Blend」の次期版として、「Expression Blend 3」のプレビュー版公開された。Silverlight 3の新機能をサポートしたほか、新たに「SketchFlow(スケッチ・フロー)」機能が搭載された。これは、プロトタイプデザインからレビュー工程までを支援する機能で、より効率的にSilverlightアプリの制作を進められるようになるという。このほか、外部データのインポート機能が強化され、IllustratorやPhotoshopのデータをレイヤーやパスを保持したまま取り込めるようになっている。

 また、同時に、オープンソースの統合開発環境「Eclipse」用のプラグイン「Eclipse4SL for Macintosh」のCTP(Community Technology Preview)版発表された。Eclipse4SLは、マイクロソフトが支援しているオープンソースのプロジェクト。同プラグインをインストールしたEclipseを使えば、これまでWindows環境(ExpressionやVisual Studioなど)に限定されていたSilverlightのアプリ開発が、Mac OS上でも可能になる。

Silverlight

Mac OS上でSilverlightアプリの開発ができる「Eclipse4SL for Macintosh」

 そのほか、各新製品の詳細な情報は後日、解説記事などでお届する予定だ。

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