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BOOM BOOM SATELLITESや髭(HiGE)のMV監督が語る

ニコ動MADにイジられる喜び――長添雅嗣氏に聞く

2009年03月18日 14時15分更新

文● BUBBLE-B、西川仁朗/トレンド編集部

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地獄のブンブン動画

BUBBLE-B 僕が拝見した作品の中で、特に印象深かったのがBOOM BOOM SATELLITESの「Kick It Out」です。歌詞のアルファベットが画面中に踊るシーンがありますよね。これはスゴイ手間のかかる大変な作業をされているので、僕はちょっとやりたくないなぁと思ったくらいなんですが(笑)、こういったビジュアルエフェクツを前面に出したシーンを撮るときは最初に完成系が頭の中にあるんでしょうか?

 それともAfter Effectsを触っている時に、生まれてくるインスピレーションを重視して作品を作られるんですか?


BOOM BOOM SATELLITES/Kick It Out


長添 両方ありますね。最初に企画を立てて、撮影する段階で凄く細かいコンテを描いてる時もあります。その場合は撮影後は作業するだけなので楽です。

 一方、撮影段階でも全然何も決めていない場合もあります。たとえば、髭(HiGE)の「黒に染めろ」では、「カメラを投げちゃえ」ってことしか決めてなかったんですよ。最初にそれだけ決めたら、カメラマンにも、ミュージシャン本人にも細かいことは説明しないんです。それでカメラが壊れるんだったら壊れるでいいじゃん、という気持ちです。

ケータイのUIのデザインなども手がける長添氏。「ここは絶対譲れないということに関しては頑固。でも、そうでないところであればクライアントの要望に応じて変更することもある」とのこと

 頭の中で描いたものが形になったときも楽しいし、頭の中で描ききれないことが形になったときもこんな絵が撮れるんだと驚いて楽しい。両方楽しいですね。

BUBBLE-B なるほど。では、編集についてうかがいたいのですが、この作業は死にそうになったといったエピソードはありますか?

長添 それはもう……さっきおっしゃったBOOM BOOM SATELLITESの「Kick It Out」ですね(笑)。もう編集中は泥沼のような作業で割とトラウマ級の辛さがありました(笑)。アシスタントと2人で1ヵ月ほとんど家に帰れなかったですよね。でも今思えば、Macのメモリが足りなかったのが原因なんで、新しいMacだったらもっと早くできたと思いますけど。

BUBBLE-B 5分の映像のビジュアル・エフェクツに1ヵ月ですか。すごいですね。After Effectsは使い始めて長いんですか?

長添 だいたい、8年目くらいですかね。たしか、バージョン4から使っています。

BUBBLE-B その当時から今のCS4までバージョンアップの変遷を体験されていると思いますが、新しいAfter Effectsになってからは如何でしょう。

長添 特にAfter Effectsはトラッキングをする時によく使っています。自分はそんなにAfter Effectsに詳しい方じゃないんですけど、バージョンが上がって作業の精度も高まり、凄く使いやすくなったと感じていますね。

BUBBLE-B ちなみに編集作業に使われているソフトは何ですか?

長添 Final Cut Studioです(苦笑い)。ただ、CS4から追加されたPremiere ProとAfter Effectsのダイナミックリンクは作業をかなり快適にしてくれますね。うまく使いこなせば、作る映像によっては、今回はPremiereを使おうとなる可能性もあると思いますね。

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