日本の商習慣に対応させた4つの機能
ネットスイートは、すべてのデータが1つのデータベースによって一元管理されているため、予算/実績管理、営業担当者や地域ごとの販売状況、顧客別売り上げ予測など、あらかじめ用意された様々な種類のレポートを簡単に作成できるようになっている。もちろんデータベース内の様々な指標を使っての、オリジナルレポート作成も可能だ。
これらの基本機能に加え、2008年12月に発表された日本向けにローカライズした「NetSuite Release J」には、日本の商習慣に対応させた4つの機能が加えられている。
- 消費税対応
- 顧客ごとに「切り上げ」「切り捨て」など端数の処理方法を定義したり、内税と外税の変更もできる。消費税計算書も作成可能だ。
- 手形管理機能
- 日本独特の決済手段である、手形の振り出しと受け取りをサポートする。割り引き処理や業者に対する裏書譲渡などもできる。
- 請求締め日設定
- 「20日締め翌月払い」のように、顧客ごとに締め日を設定して詳細な月次明細を作成したり、あらかじめ設定したワークフローに従って顧客に対して適切なタイミングで明細書を作成する。
- 日本会計様式の財務諸表
- 日本の書類様式と会計基準にあわせてローカライズされた損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、資本変動計算書などの財務諸表を作成する
ダッシュボードで業務別に画面をカスタマイズ
ネットスイートには業務に必要となる多数の機能が用意されているが、部署によって利用する機能は異なり、これらの機能をすべて利用する人はいないだろう。
このため、ログイン時に最初に表示されるダッシュボードと呼ばれる画面には、経営者には財務諸表やKPIメーター、営業担当者には顧客リストや営業目標、倉庫担当者には出荷、受領、在庫情報、経理担当者には財務情報といったように、部署・職掌ごとに各自の業務で主に使用する項目が抜き出されて表示されるようになっている。利用者各自が好みにあわせてカスタマイズすることも可能だ。
また、ダッシュボードの表示項目や、データごとの閲覧許可などの設定はロール(役割)と呼ばれ、「経営者」、「営業担当」、「マーケティング担当」、「サポート担当」といった複数のロールをあらかじめ設定しておき、利用者ごとにそのロールを割り当てることで、管理ができるようになっている。
では、これらの豊富な機能が使えることによるメリットにはどのようなものがあるのだろうか。
まずは、見込み顧客の獲得や受注、商談登録や見積書作成、進捗報告といった様々なビジネス活動を自動化し、効率を大幅に向上できることが挙げられる。
また、取引ごとの売掛金と買掛金、企業全体の収益や販売予測、見込み顧客の情報や現在の注文といった、必要とする情報をリアルタイムで可視化して参照できるため、意思決定の質とスピードが向上するという点も見逃せない。
さらに、SaaS元来の特長である、インストール不要、購入・メンテナンスが必要となるハードウェアも不要でトータルコストをかなり低く抑えられることによって、本業に人や時間を集中することができるのも大きなメリットだ。
ネットスイート マーケティング部長が語る
「リアルタイム経営を目指したい会社様へ」
最後に、ネットスイート株式会社 マーケティング本部プロダクトマーケティング部長の内野彰さんに「ネットスイートの導入をお勧めしたいお客様」について質問すると、
「特にお勧めしたいのは、サービス、流通、小売、卸、製造業を中心に、売り上げ5億~50億、従業員数10人~200人程度の企業様です。たとえば、経理は弥生、在庫管理はOBC、Webは楽天、営業支援はセールスフォース、サポートセンターは個別のCTI、各担当者はエクセルでレポートといった、複数の業務データをばらばらで管理されていて、リアルタイム経営を目指したい会社様にお勧めします」
と語ってくれた。
ネットスイートのWebサイトでは、無料でトライアルバージョンを利用できるようになっているので、興味のある方は一度試してみるといいだろう。