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インテル、フェイス、吉本興業、FeliCa搭載携帯電話機を使った有料コンテンツ配信実験を発表

2007年03月05日 16時12分更新

文● 編集部 小西利明

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インテル(株)と(株)フェイス、吉本興業(株)は5日、非接触ICカード技術“FeliCa”機能を搭載する携帯電話機を使った権利認証技術を利用した、新しい有料コンテンツ配信サービスの実証実験を6日より開始すると発表した。携帯電話機を認証キーとして利用することで、携帯電話機とパソコンでのコンテンツ連携を実現する。

この実験は“NFRMサービス”(仮称)と称されている。フェイスが開発した権利認証技術“NFRM”(Near Field Right Management)を利用するもので、コンテンツの権利情報が記録された携帯電話機を、パソコンでのコンテンツ視聴の際の認証キーとして利用する点に特徴がある。実験期間は6日から6月末までで、実験で配信されるコンテンツは無料で購入できる。

ユーザーはiモード携帯電話機とWindows XP搭載パソコンに、それぞれ専用アプリケーションを公式サイトからダウンロードし、インストールしておく。携帯電話機はFeliCa機能を内蔵することが必須で、パソコン側は内蔵またはUSB接続のFeliCaリーダー/ライターを準備しておく必要がある。携帯電話機で同サービス対応コンテンツを購入、電話機上で視聴できる。さらに専用ソフトを起動して、コンテンツを購入した携帯電話機をパソコンに接続したFeliCaリーダー/ライターにかざすと、購入したコンテンツのパソコン版を視聴できるという仕組みだ。携帯電話機向けのコンテンツをパソコンに転送するのではなく、“あるコンテンツを視聴する権利”を携帯電話機内のFeliCa機能に保存しておき、パソコン上でコンテンツを視聴する際の認証に利用する点がポイントである。

この仕組みを利用することで、コンテンツの不正流通を防ぎながら、携帯電話機とパソコンのそれぞれに最適化されたコンテンツを配信可能となる。これによって、高品質のコンテンツの流通を活発化させ、関連業界に新たなビジネスチャンスを提供することが目的である。原理的にはパソコン以外の機器への応用も可能であり、プレスリリース等ではデジタル家電や車載AVシステムへの展開も将来の目標に挙げられている。

同日、東京都内にて開かれた記者説明会には共同事業者の代表として、インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏、フェイス 代表取締役社長の平澤創氏、吉本興業 代表取締役社長の吉野伊佐男氏の3氏が来場し、携帯~パソコン連携のコンテンツ配信に対する期待と、自社の取り組みについて述べた。今回の実験では3社以外に、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト(株)が配信サーバーと配信ネットワークなどのプラットフォームを提供で参加する。またコンテンツ提供者として、朝日放送(株)や(株)オン・デマンド・ティービー、ウォルト・ディズニー・テレビジョン・インターナショナル・ジャパンなど15社・団体が、コンテンツ提供で実験に参加する。各コンテンツ提供者は、サービス開始時に数タイトルのコンテンツを提供する予定。

実験の対象となる携帯電話機はiモード対応携帯電話機のみであるが、NFRM自体はiモードに依存したものではなく、他の携帯電話事業者のサービスにも展開可能であるという。またパソコン側アプリケーションも現在はWindows XP用となっているが、Windows Vistaへの対応も検討されているとのこと。パソコン用FeliCaリーダー/ライターの普及率次第の面はあるが、利便性と安全性を確保しながらデバイスごとに適したコンテンツ配信を行なう仕組みとして、今後の展開が注目される。

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