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標準化に近づく802.11n──ついにドラフト1.10が可決に

2007年01月22日 15時47分更新

文● 編集部 広田稔

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次世代の無線LAN規格“IEEE 802.11n”が、標準化に向けて一歩前進したようだ。

IEEE 802.11委員会で802.11nの規格を策定している“タスクグループN (TGn)”は現地時間の15~19日、ロンドンで開催された会合において、ドラフト(草案)のバージョン1.10を全会一致で可決した。

この情報は、米アセロス・コミュニケーションズ(Atheros Communications)社の最高技術責任者(CTO)、ウィリアム・マクファーランド(William J. McFarland)氏が明かしたもの。

IEEE 802.11nは、MIMO(マイモ)などの新技術を採用し、既存の無線LANであるIEEE 802.11a/b/gを超える通信速度や通信範囲を実現した規格だ。現状ではまだ標準化されておらず策定中だが、すでに市場にはドラフト 1.0規格に基づいた製品が出荷されている。

CG-WLBARGE(株)コレガの『CG-WLBARGE』など、日本でもIEEE 802.11n対応製品がいくつか登場してきている

ドラフト2.0への“昇格”も

マクファーランド氏によると、今回の会合でドラフト1.0によせられた3000件の技術的なコメントがすべて解決されたため、ドラフト1.10が全会一致で可決されたという。

この可決を受けてIEEE 802.11委員会では、短期間(15日間)の文書投票を行ない、ドラフト1.10をドラフト2.0として、30日間の文書投票による技術審査にかけるべきかどうかを決定する。

マクファーランド氏によれば、ドラフト1.0と1.10の違いは、2.4GHz帯域で40MHz運用をする際、既存機器を保護する仕組みに関するものとのこと。

アセロスは、自社のドラフト1.0に準拠する無線LANソリューション“XSPAN”について、ドラフト1.10に対応しているため、ソフトウェアでアップデートできると解説している。

XSPAN
アセロスの無線LANソリューション“XSPAN”のロゴ。XSPANソリューションは、先のコレガの『CG-WLBARGE』やNECアクセステクニカ(株)の『AtermWR8200Nワイヤレスカードセット』などに採用されている


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