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シャープ、世界最大“108インチAQOUS”とともに町田社長の年頭会見を開催

2007年01月12日 19時31分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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シャープ(株)は12日、東京・有楽町の帝国ホテルにプレス関係者を集め、代表取締役社長の町田勝彦氏による年頭記者会見を開催した。会場には米国・ラスベガスで開催されていた世界的な家電製品のトレードショー“2007 International CES”で発表された、世界最大の108インチ液晶TV“AQOUS”が持ち込まれ、会見後には町田社長とともにフォトセッションが行なわれた。

団塊世代/団塊ジュニア世代にフォーカスし
オンリーワン商品で売り上げ3兆3000億円を目指す

町田社長
年頭の記者会見を行なう町田社長。今年も大阪の会場をオンラインで結んでの2元中継で行なわれた

町田社長の会見では、まず2007年度の市場動向について、「長く好景気を支えてきた企業の設備投資は減速すると見られるが、個人消費は“団塊世代”およびその子どもたちの“団塊ジュニア世代”が消費の牽引役になる可能性が高い」と分析。これらの市場に合わせた製品展開が重要と語った。

団塊世代と団塊ジュニア世代の成長市場分析
団塊世代と団塊ジュニア世代をターゲットに、今後の成長が期待される市場を分析

団塊世代には“極楽備(ごくらくび)”をキーワードに、具体的には以下のカテゴリーを挙げた。

極上の商品、おもてなし商品
長期旅行やアイランドキッチンを導入するリフォームなど
趣味を楽しめる商品
薄型TVやホームシアター、トライクなどの三輪バイクなど
健康/安全/環境への不安に備える商品
生活習慣病やメタボリックシンドローム対策の製品、高付加価値調理器具など

団塊ジュニア世代には“軽薄探省(けいはくたんしょう)”をキーワードに、

身近で手軽な商品
軽自動車、軽量化した製品など
すっきり収まる薄型商品
携帯電話の薄型化
探索
ウェブなどを活用して探してから買う生活習慣、GPSケータイなどを持たせて子どもの居場所を検知する、オンライン百科事典やGoogleなどで検索を楽しむ
手間がかからずメンテナンスフリーな省力化、ロボット製品
フィルターの清掃が10年間不要な掃除機など

などを挙げた。これらのいくつかは、シャープの現在の製品領域とは異なるが、こうしたニーズの高まりを念頭に「デバイスや商品で差別化戦略を継続していきたい」と語った。

液晶TVは50%増の年間900万台販売を掲げ
4割を40インチ以上に!

続いて、2007年度の重点取り組み方針や売り上げ目標などが紹介された。やはり主力に挙げられたのは液晶TV関連事業と太陽電池事業で、昨年は両者とも世界的な需要の高まりに対応しきれなかったことを反省し、今年は十分な供給体制を整えると説明した。

液晶TV販売目標と大型液晶パネルの比率 国内海外の比率
シャープの液晶TV販売台数目標と、大型液晶パネルの比率同じく国内海外の比率

具体的には、同社の液晶TV販売目標を2006年度(見込み)の600万台から、50%増の900万台とし、そのうち40%が40インチ以上になると見込む。そのための生産体制拡充として、亀山工場の第3期展開、およびポーランド、メキシコの3工場で液晶モジュールから組み立てまでの一貫生産体制を今年7月までに完成させると説明した。

液晶事業の売上金額は17%増の1兆2000億円で、この中にはワンセグ端末向けの“システム液晶”が引き続き好調で、需要拡大が見込まれるとしている。

売り上げ目標(実績)の経緯
全社の売り上げ目標(実績)の経緯

これらを総合して、全社の売り上げ目標は2006年度(見込み)の10%増となる3兆3000億円。設備投資は液晶事業に2000億円、太陽電池事業に100億円など、合計3000億円を予定していると語った。

液晶事業への投資額について、掲載当初1000億円を記載しましたが、正しくは2000億円となります。お詫びして訂正いたします。 (2007年1月12日)

37インチ以上のAQUOSは100%フルスペックハイビジョンに
春頃にはBlu-ray製品も登場!

会見後の記者からの質問に答える形で、フルスペックハイビジョン(フルHD)の普及についても言及した。「液晶はフルHDに向いているデバイスであると常に訴えてきた。2006年の年末商戦でも37インチのフルHDが圧倒的に売れており、32インチのフルHDについても、若い方を中心に“違いが分かる”という声を聞く。今後は国内だけでなく、海外も含めて40インチ以上は100%フルHDに、37インチも今年中に100%フルHDに切り替えていく。海外ではまだHDの需要があるが、フルHDの魅力を伝えていきたい。一方、32インチについて(国内でも)HDとフルHDが混在し、フルHDの売れ行きはある一定量になるだろう」と見通しを示した。

108インチAQUOSと町田社長
会見の会場に持ち込まれた108インチAQUOSと町田社長

また、CES会場に出品された次世代DVD(Blu-ray製品)について質問されると、「(シャープが独自の)青紫レーザー、ピックアップの高出力タイプが、社内でもデバイスとして完成しつつある。(CESでも出品したが)春頃には発売できると見込んでいる」と答えた。ただし、春頃に発売される具体的な製品内容や地域(日本か海外か)についての詳細は明かされなかった。

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