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9(nine)(WS009KE)

9(nine)(WS009KE)

2007年01月12日 09時55分更新

文● ヤシマ ノブユキ

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9(nine)(WS009KE)

ウィルコム/ケーイーエス

オープンプライス
(新規契約、ウィルコム定額・通話パック同時加入時:1万800円)

通信機器メーカーの(株)ケーイーエスが、ウィルコム(株)向けに初めて供給する「9(nine)WS009KE」(以下、nine)は、ストレートタイプの音声端末だ。

 高度化PHS通信規格“W-OAM(WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)”に対応したW-SIM「RX420AL」((株)アルテル製)を初めて同梱する端末で、サイズはスマートフォン「W-ZERO3[es]」(シャープ(株)製)より二回りほど小さい。重量はわずか67gで、ウィルコム端末の中で最もコンパクトだが、フルブラウザー“NetFront”やPOP/SMTP対応メーラーを搭載する点で、同じ重さの音声通話・メールに特化したPHS端末「nico.」よりも通信面が充実している。カメラ機能は、nicoと同様に搭載しない。

 今回はズバリ、W-OAM環境での通信速度と端末の使用感を“一本釣り”してみたい。

平均100kbps以上!体感速度は約2倍

 まずはW-OAM環境での通信速度について。そもそもW -OAMとは、ウィルコム独自の高度化PHS通信規格のことで、電波状態に応じて最適な変調に自動切り替えすることにより、高速なデータ通信と広範囲での安定通信/通話を可能にするものだ。W-OAMに対応したW-SIMと端末さえあれば、オプションの設定や追加料金は必要ない。

W-SIM挿入
W-SIMは本体上部から挿し込んで使用する。W-OAM対応W-SIMの証である赤いラインが見える。

W-SIMの種類による機能の違い

RX420AL本来の機能nineでRX420ALを利用したときの機能nineで従来のW-SIMを利用したときの機能
パケット通信中に着信を受けられる
通話中に着信があったことを通知できる×
W-OAMによる通信×
リモートロック×
国際ローミング××

 また、nineには新型のW-SIM(W-OAM対応の RX420AL)が付属するが、W-SIMが付属しない単体モデルというのも直販サイトでは取り扱っていて、端末だけ買い足して現行のW-SIMを利用することもできる(W-SIMなしモデルの直販価格は1万8600円)。ただし、利用可能な機能は新型のW-SIMの方が断然多い。

 W-OAM環境でのデータ通信速度は、最大で通常の 1.6倍となり、4xパケット方式(最大128kbps)の場合、現時点では最大204kbpsでの通信が可能とされている。同社によれば、W-OAM対応エリアは非公表とのことだが、「データ通信利用の多い都市部を中心に順次拡大していく」とコメントしていることから、少なくとも東京都心は対応エリアではないかと考えられる。

 そこで、まずは未対応エリアと思われる東京郊外の西東京市周辺でNetFrontを使って、“BNRスピードテスト回線速度計測ページ(画像読込み版)”(http://www.musen-lan.com/speed/speed-img.html)で実際に4xパケットで計測してみたところ、通信速度は平均約73kbpsとまずまずだった。

 次に、場所を移動し、対応エリアと思われる西新宿周辺で計測したところ、平日の昼時だったにもかかわらず平均約113kbpsという好結果が得られた。未対応エリアでは読み込み時に時間のかかる印象だった写真共有サイトの“flickr”や“Yahoo!フォト”といった画像中心のサイトもストレスなく楽しめた。

実効速度最大速度(理論値)
対応エリア平均113kbps204kbps
未対応エリア平均73kbps128kbps

 W-OAM非対応地域から、対応地域に移った場合の転送速度の違いだけを見ると革命的に速いとまでは言えないが、それでも特別な設定もなく速くウェブサイトを見られるのはうれしい点だ。さらに、パケット通信時に画像を圧縮して読み込み速度を向上させる“高速化サービス”(月額315円)を併用したところ、画像による速度ベンチマークテストということもあって、コンスタントに約320kbps前後を叩き出した。ダイヤルアップからADSLに変わったときのような感動といったら言い過ぎだろうが、今までのPHSでは味わったことのないスピードだ。

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