このページの本文へ

松下、堅牢ノート“TOUGHBOOK”をモデルチェンジ──屋外でも見やすい液晶に進化

2006年12月20日 20時52分更新

文● 編集部 広田稔

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

松下電器産業(株)は20日、耐衝撃/防滴/防塵性能を重視した頑丈設計のノートパソコン“TOUGHBOOK (タフブック)”シリーズの新製品として、液晶ディスプレーの視認性などを改良した2モデルを発表した。

ラインアップは、タッチパネル式13.3インチ液晶ディスプレーの『CF-30』と、タブレットスタイルでも使えるタッチパネル式10.4インチ液晶ディスプレーを備えた『CF-19』の2種類。CF-19には、無線LAN(IEEE 802.11 a/b/g)モジュールを省くタイプも用意される。

発売日はCF-30が2月1日、CF-19が2月26日。価格はオープンプライス。松下ネットワークマーケティング(株)のオンラインショップ“マイレッツクラブ”における販売価格は、CF-30が40万円台半ば、CF-19が30万円台前半。

CF-30 CF-19
タッチパネル式13.3インチ液晶ディスプレーを備えた『CF-30』タブレットスタイルでも使えるタッチパネル式10.4インチ液晶ディスプレーを備えた『CF-19』
イメージ
整備工場、工事現場、海洋調査、消防や警察といった現場で利用されているという

CF-30は輝度アップ、CF-19は偏光フィルムを採用

従来モデルより液晶ディスプレーの視認性が改善され、直射日光下でも画面が見やすくなったという。また、両モデルの液晶ディスプレーとも、映り込みを少なくする“AR(Anti-Reflection)処理”が施されている。

視認性の改良方法はCF-30とCF-19で異なり、CF-30では液晶ディスプレーを高輝度化している。具体的には、従来モデル『CF-29』が1灯のバックライトで500cd/m2の輝度だったところ、CF-30では2灯に増やして1000cd/m2という2倍の値を実現した。

左が従来モデルのCF-29、右がCF-30 スライド
左が従来モデルのCF-29、右がCF-30輝度アップの仕組みを解説したスライド

タブレットタイプのCF-19では、“円偏光フィルム”を新たに採用した。直射日光下で視認性が悪くなる理由は、タッチセンサーに当たった光が反射するという点にある。CF-19は、液晶パネル/位相差フィルム/タッチセンサー/位相差フィルム/偏光フィルム──という5重の構造を取ることで、液晶パネルの光は通過させつつ、タッチスクリーンからはね返ってくる外光は遮断するという。

松下電機産業のパナソニックAVCネットワークス社 ITプロダクツ事業部 テクノロジーセンター ハード設計第二チームの主任技師、西松英雄氏によれば、従来モデル『CF-18』で10%を超えていた反射率が、CF-19では3~4%程度という3分の1以下に低減されたとのこと。なお、CF-19の輝度は460cd/m2だ。

円偏光フィルム
円偏光フィルムで視認性を改良する仕組み

視認性以外では、従来、HDDのみに採用していたヒーターを液晶ディスプレーにも適用し、-20度環境での起動/動作が可能になっている。そのほか、全コネクターの挿抜保証回数が3000回から3万回にアップし、内蔵Bluetoothモジュールや内蔵GPSモジュール、指紋認証機構をオプションで選べるようになった。主な仕様は以下のとおり。

製品名 CF-30 CF-19
CPU Core Duo L2400-1.66GHz Core Duo U2400-1.06GHz
メモリー容量 512MB(PC2-4200 DDR2 SDRAM、最大容量1GB、空きスロット1)
チップセット インテル 945GM Express
ビデオメモリー 128MB(メインメモリーと共用)
HDD 80GB(SATA)
液晶ディスプレー 13.3インチ/1024×768ドット(タッチパネル対応) 10.4インチ/1024×768ドット(回転式、タッチパネル対応)
光学式ドライブ なし
通信機能 IEEE 802.11a(J52/W52/W53)/b/g対応の無線LAN、 10/100/1000BASE-T対応のEthernet、V.90対応56kbpsモデム IEEE 802.11a(J52/W52/W53)/b/g対応の無線LAN、 10/100BASE-TX対応のEthernet、V.90対応56kbpsモデム
主なインターフェース USB 2.0×3基、IEEE 1394a、外部ディスプレー(ミニD-Sub 15ピン)、ExpressCard、PCカード(Type II)、SDメモリーカード USB 2.0×2基、IEEE 1394a、外部ディスプレー(ミニD-Sub 15ピン)、ExpressCard、PCカード(Type II)、SDメモリーカード
最大バッテリー駆動時間(JEITA測定法1.0) 約8時間
OS Windows XP Professional SP2
本体サイズ 幅302×奥行き285×高さ69.5(最薄部67.5)mm 幅271×奥行き216×高さ49mm
本体重量 約3.8kg 約2.25kg
左側面 背面 右側面
機器の側面にある端子類はすべて、金属ドアとラバーシールで保護されている

水攻め、粉攻め、落下攻め……5つの試験でタフを保証

耐衝撃/防滴/防塵といった“タフ”の要素は、従来モデルと同等となっている。西松氏によれば、松下電器ではタフの性能を保証するために、以下の5つのテストを行っているとのこと。

  • 90cmの高さからの自由落下試験。合板に対しては26方向、コンクリートに対しては5方向の角度を付けて本体を落とす
  • 車載を前提としてた対振動試験
  • 360度の方向から1時間散水する防滴試験
  • 無機粉末(タルク粉)を8時間浴びせる防塵試験
  • -20度、および60度の状態で500時間動作させるエージング試験
水攻め
『Let'snote CF-Y5』など、最近の松下製パソコンでおなじみとなった水掛けデモ。今回は動作した状態で、2リットルの水をかけられていた
落下デモ 防塵デモ
90cmからの落下デモタルク粉を浴びせる防塵デモ

なお、日本電気(株)が同種の堅牢ノートパソコン『ShieldPRO FC-N21S』を5日に発表したことについて、パナソニックAVCネットワークス社 システム事業グループ ITプロダクツ事業部 事業部長、高木俊幸氏は「国内では“堅牢パソコン”の認知度がなかなか上がらないという気持ちを持っている。NECさんがさらに新製品を投入することで、市場が大きくなっていく面もあるので、非常に喜ばしいと考えている」と語った。

また、Windows Vistaへの対応は西松氏が「両モデルともWindows Vistaにも対応する予定。ドライバーの提供時期などについては検討中」とコメントしている。

高木俊幸氏 西松英雄氏
高木俊幸氏西松英雄氏


カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン