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スカイプ、無料IP電話ソフト『Skype 3.0 for Windows』の提供を開始

2006年12月15日 22時29分更新

文● 編集部 永水和久

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ルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズ(Skype Technologies)社は現地時間の13日、無料IP電話ソフトの最新版『Skype 3.0 for Windows』の提供を同日付けで開始すると発表した。これを受けて日本オフィスの開設を記念した懇親会が14日に東京・浜松町の世界貿易センタービルディングで開かれた。日本オフィスのジェネラルマネージャーである岩田真一(いわた しんいち)氏が、Skypeの特徴や将来の展望を語った。

ジェネラルマネージャー 岩田真一氏
ジェネラルマネージャー 岩田真一氏

「現在、スカイプ・テクノロジーズの本社はルクセンブルグにあり、そこでは主に会計や人事などを行なっている。ビジネスの拠点はイギリスのロンドンで、開発の拠点はエストニアのタリン。社員数は500名程でそのほぼ半分ずつがイギリスとエストニアに二分されている。そのほかは、香港、日本、ブラジルなどに少しいる程度」と組織を簡単に説明した。

電話にはないSkypeの特徴
電話にはないSkypeの特徴

「電話との違いはつながったままである点、そしてヘッドセットを使う必要もない。パソコンにマイクとスピーカーを接続し、普段の生活のまま会話をすればいい。会話だけでなく部屋の雰囲気まで伝えることができる、つまり部屋と部屋をつなげられるということ。これを私たちは“Room to Room”と呼んでいる。それこそがSkypeの特徴」と電話との違いを述べた。

登録ユーザー数の推移
登録ユーザー数の推移

「登録者は世界で1億3600万人を超え、新規登録は一日22万人以上、そのペースは毎日増えている。同時オンラインユーザーは今月の時点で820万人を確認している。日本人の登録は推定で400万人」としたうえで、「SkypeはP2P技術で作られているのが特徴で、ユーザーが増えても、サーバーを増強する必要はない。集中して管理を行なうサーバーと違って、ユーザーが増えてもシステムが崩壊する恐れもない」とP2Pの特徴を強調した。

ピンク色の部分が満足しているユーザー。90%近くを占めている 黄色で色分けされた部分が、家族や友人など、知人からの紹介
ピンク色の部分が満足しているユーザー。90%近くを占めている黄色で色分けされた部分が、家族や友人など、知人からの紹介

9月に利用者に対してアンケートを実施し、「初めてSkypeを使ったときの感想については、90%近いユーザーが満足と回答した。導入のきっかけについては、ほとんどが知人からの紹介。大規模な宣伝を行なっていないことも考慮すると、Skypeはユーザー同士の口コミで広まっている」と述べた。

口コミで広まった理由について岩田氏は“一回でうまくいく”と“思っていたより良かった”の2点であると分析。「友達に勧められて1回は試す。その1回で設定がうまくいって、音質も思っていたより良かった。その結果、また友達に勧めたくなる」とまとめた。

「当初、パソコンとネット環境が必要なことがデメリットと思われていたが、最近では、パソコンとネット環境だけあればいいのがメリット、というようにユーザー側の認識が変わってきている」との指摘も加えた。

続いて、ノートパソコンでSkypeを起動し、いくつかの新機能について解説を行なった。

“Extra”と呼ばれるプラグイン機能の1つで、コンタクトリストのユーザーとホワイトボードを共有する機能“Sketch Pad” ウェブブラウザーで表示したコンテンツに含まれる電話番号を自動認識し、ワンクリックで“SkypeOut”できるプラグイン
“Extra”と呼ばれるプラグイン機能の1つで、コンタクトリストのユーザーとホワイトボードを共有する機能“Sketch Pad”ウェブブラウザーで表示したコンテンツに含まれる電話番号を自動認識し、ワンクリックで“SkypeOut”できるプラグイン

コンタクトリストに登録されていなくても誰でもチャットに参加できる“Public Chats”の追加や、司会者機能付き同時通話会議機能“Skypecast”がクライアントからの制御に対応したことを紹介。

“Public Chats”の説明 “Skypecast”の変更点
“Public Chats”の説明“Skypecast”の変更点

クライアントに好きな画像を壁紙として設定できるようになり、ムードメッセージがクリッカブルに対応した。

企業から要望の多かった、“スーパーノード”にならない設定もできるようになった 企業導入向けにカスタマイズできる
企業から要望の多かった、“スーパーノード”にならない設定もできるようになった企業導入向けにカスタマイズできる

「制御事項をカスタマイズできるように、レジストリーキーを公開した。コンタクトリストを制限したり、ファイルを送信できなくしたりといったことが可能。また、グループを作成し、管理者がスカイプクレジットの精算をまとめて行なえるようにもなった」と、企業導入に対して積極的な姿勢を見せた。

さらに、プラグインのAPIを公開したことで、「今後は、ハードウェアとソフトウェア両方の面でサードパーティーが参加し、アプリケーションを開発できるようになった。Skypeを使ったビジネスチャンスを提供していきたい」と将来の展望についても熱く語った。

最後の質疑応答の際に、先日海外で発表された一般電話回線への通話“SkypeOut”の定額制について質問したところ、「現時点では、日本ではまだ難しい」と答えた。

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