このページの本文へ

HP-NC80

HP-NC80

2006年12月12日 22時44分更新

文● 編集部 小林 久

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

HP-NC80

日本ビクター

オープンプライス(実売価格:6000円前後)

HP-NC80」は、日本ビクター初のノイズキャンセリング(NC)ヘッドホンだ。

HP-NC80を装着
HP-NC80を装着してみた。

 このところ各社から製品化されているNCヘッドホンだが、本製品の特徴としては“LOW”と“WIDE”という2種類のキャンセリングモードを搭載している点が挙げられる。ひとくちに“騒音”といっても、ヘッドホンを装着している周囲の状況によって、環境音は異なる。ビクターはこの点に注目して、地下鉄など低域の騒音が多い場所に適したモード(LOW)と、飛行機に適したモード(WIDE)を用意したわけだ。

 NC機能はヘッドホンのハウジングに設けられたスイッチでON/OFFが可能。NCをオフにした状態でもヘッドホンから音が出る。イコライザーや電源(単4乾電池1本)は、ヘッドホンのハウジング部分に内蔵されているが、本体は電池を収納した場合でも140gと軽量だ。ドライバーユニットは30mmの密閉型で、高磁力ネオジウムマグネットを採用。サイズ的には少々かさばるオーバーイヤータイプだが、折りたたみにも対応する。

 実は折りたたみに関してもデュアルモードに対応しており、ハウジング部分を水平に90度回して、薄く折りたたむ方法と、アームの内側に垂直に折り曲げてコンパクトに折りたたむ方法の2種類が選べる。欲を言うと、ケーブルの巻き取り機構や専用ポーチなども欲しいところだが、携帯性に関してはまずまずである。



薄く収納したい場合 コンパクトに収納したい場合
折りたたみ方法は2種類に対応。左は薄く収納したい場合、右はコンパクトに収納したい場合。


常用するならWIDEモードか!?

 実際に装着してみた感想としては、密閉感はそれほどなく、割合ソフトなフィーリング。上述したように、見かけによらず軽いので長時間の装着でも疲れない。

切り替えスイッチ
スイッチ類は右耳のハウジング部分に装備している。

 NCのON/OFFとキャンセリングモードの切り替えスイッチは、右耳のハウジング部分に用意されている。ON/OFF(またはWIDE/LOW)を切り替えるシンプルな操作系なので、装着した状態でも右手の親指で簡単に切り替えが可能だ。

 電源を入れて1~2秒するとNCが働き、周囲の音がすっと消える感覚を味わえる。試しに、LOWとWIDEの2種類のモードで仕事で利用しているデスクトップパソコンのCPUファンの音がどのぐらいカットされるか試してみたが、効果はファンが鳴っているのを感じないほどきれいにNCが効いたWIDEモードに対して、LOWモードでは「ゴーっ」という風切り音が多少鳴っているのを感じる。

 ボーズの「QuietComfort」シリーズでは、NCを働かせた瞬間に周囲の音が一切聞こえなくなる感覚があるのだが、HP-NC80の場合、人の会話などはフィルタリングされない。屋外で使用することを考えると、こちらのほうが安全ではないだろうか。なお、LOWでもWIDEでも、NCをオンにした状態では「サーっ」という軽い残留ノイズを感じる。静かな室内などではこのノイズが気になるが、この点を考慮して、NCをOFFにするモードが用意されているのだろう。



単4電池で駆動
電源は単4電池を使用。電池はアルカリ乾電池で50時間持つ。

 特徴であるLOWモードの効果を確かめるべく、地下鉄にも乗ってみた。ここで意外だったのは、地下鉄の車内はもともと意外に静かであるという点だ。確かに、トンネル内で逆方向からやってきた列車とすれ違う際に低めの騒音(あえて表現するなら「ドドド……」あるいは「ゴゴゴ……」という音)が聞こえるのだが、それ以外の状況ではWIDEモードの方が効果的にフィルタリングされているような気がした。ただし、これは筆者の主観による部分が大きいので、効果には個人差があると思われる。

 なお、NCモードの効果に関しては、いずれもヘッドホンから音を出さない状態で体験したものであり、音を出していると、その差は明確ではなくなる。





バランスが取れた音質で
コストパフォーマンスもなかなかのもの

 ノイズキャンセリングに関しては、大体上記のような感じだが、最後に音質に関しても簡単にコメントしておこう。本機は実売価格で6000円程度とNC機能を搭載した製品としては、かなりリーズナブルな部類に入るが、音質はまずまずで、低域から高域までおかしな強調感がなく、バランスの良さを感じた。キャラクターとしては、快活でポップな印象で、聴き疲れもしにくい。

 プラスチック製の外装の質感には、高級感というかカッチリ感が少し乏しい印象はあるが、ハウジング部分に鏡面処理を施すなど、デザイン面の魅力もある。ブラスチックの使用に関しても、そのぶん本体を軽量化できていると言うメリットもあるわけで、一概に悪いとは言えないだろう。

片耳モニターにも対応ハウジング部分が反転するので、写真のような片耳モニターも可能だ。

 コストパフォーマンスの高さや優れた装着感といった点から、最初に買うNCヘッドホンとしておすすめだ。

HP-NC80の主なスペック
製品名 HP-NC80
ドライバーユニット 直径30mm ダイナミック型 密閉式
再生周波数帯域 10Hz ~ 22kHz
感度 103dB/mW(ON)、105dB/mW(OFF)
ノイズキャンセリング性能 12dB以上(WIDEモード、300Hzにて)
バッテリー寿命 約25時間(マンガン乾電池使用時)、約50時間(アルカリ乾電池使用時)
重量 140g(電池含む、コード含まず)

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン