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学研、雑誌とオンラインメディアを連動する“クロスメディア新事業”の開始を発表

2006年12月12日 20時48分更新

文● 編集部 小西利明

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学習研究社 代表取締役社長の遠藤洋一郎氏 同社の自動車関連誌をベースとしたリッチコンテンツ配信のデモ。左上部分が動画となっている
学習研究社 代表取締役社長の遠藤洋一郎氏同社の自動車関連誌をベースとしたリッチコンテンツ配信のデモ。左上部分が動画となっている

(株)学習研究社は12日、東京都内にて記者説明会を開催し、既存の出版・能力開発事業とウェブサイトを軸としたデジタルメディアを連動した“クロスメディア新事業”を本格開始すると発表した。今期中に22のウェブサイトを順次リニューアル/開設し、異なる出版媒体間での連携やコミュニティーサイトを展開。広告収入や物販収入などによる収益拡大を目指す。

説明会の冒頭で挨拶を述べた、同社代表取締役社長の遠藤洋一郎氏は、1947年の創業以来の出版事業で培ったコンテンツを創造する力が同社の源泉であるとしたうえで、出版媒体から活動の場面を広げるチャンスとして、パソコンや携帯電話で見られるデジタルメディアへと、活動を拡大すると述べた。以下に複数メディアでの情報発信や連携の例を挙げる。

育児情報での複数メディアによる連携の例。育児を核として、他媒体への誘導を行なう
育児情報での複数メディアによる連携の例。育児を核として、他媒体への誘導を行なう
     
  • 料理レシピの例:雑誌の料理レシピをウェブサイトにも掲載し、読者がレシピリストから自分なりの献立リストや必要な買い物リストを作成。さらにそれを携帯電話に送信して、買い物に活用する。
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  • 育児情報の例:育児雑誌関連サイトで、育児に関する実用情報を掲載、また読者交流用のSNSサイトも提供する。さらに“赤ちゃんのかわいい撮影法”としてカメラ雑誌関連サイト、“赤ちゃんのいる家庭向きの車紹介”として自動車雑誌関連サイトなど、他の媒体の情報への誘導を図る。さらに子供の成長に合わせて、教育サービス(塾や習い事)や関連雑誌・書籍への誘導も図る。
子供の成長に応じて、読者たる女性の求める情報も変化する。それに応じたコンテンツの提供や誘導も行なう
子供の成長に応じて、読者たる女性の求める情報も変化する。それに応じたコンテンツの提供や誘導も行なう

クロスメディア事業のモデルとなる22のウェブサイトは、雑誌媒体の取材力や求心力を活用しつつ、ウェブサイトならではの即応性を活用した毎日の情報更新などを行なうとしている。収益モデルとしては広告収入を中心に据えているが、サイトでの物販や教養講座事業への誘導なども行なう。

DIY情報サイトを核とした雑誌や物販、講座事業の連携のイメージ図
DIY情報サイトを核とした雑誌や物販、講座事業の連携のイメージ図

コミュニティーサイトの例としては、2007年1月末オープン予定の女性向けコミュニティーポータル“クラッセ”が例として挙げられた。“暮らし中心の女性向けコンテンツと連動”するというSNSサイトで、同社の家庭実用雑誌『おはよう奥さん』や女性向け健康雑誌『FYTTE』(フィッテ)のコンテンツや、ペットや教育関連コンテンツも配信するという。

女性向けコミュニティーサイト“クラッセ”の画面イメージ(現時点でサイトは存在しない)
女性向けコミュニティーサイト“クラッセ”の画面イメージ(現時点でサイトは存在しない)

同事業関連の電子出版子会社(株)アドマガを通じて、動画を活用したリッチコンテンツの定期配信も手がける。アドマガでは台湾 新数通社開発の配信プラットフォーム技術“Xplus”をベースに、“アドマガランチャー”と称する電子雑誌再生ソフトを開発。これを通じて文字情報に動画像を組み合わせたコンテンツ配信を行なう。

初年度(2007年3月期)中にハードウェアやインフラ整備、ソフトウェア/コンテンツ制作や関連会社設立などで計15億円を投資。2009年3月期には同事業で30億円の売上(うち広告収入15億円)と、月間ページビュー10億を目指すとしている。

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