従来の最高峰とこれからの最高峰の対決!!
AMDが11月30日に発表した、コードネーム“4x4”と呼ばれるDualソケット/マルチコアのデスクトップ向けプラットフォーム“AMD Quad FX”の実機デモがTSUKUMO eX.で開催された。“AMD Quad FX”の実機が一般に公開されるのは今回が初となる。
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コアの数だけモニタが用意された今回のデモ。左4つが「Athlon 64 FX-74」の画面、右2つが「Athlon 64 FX-62」の画面だ | 雨の中、初めて一般に展示される“Quad FX”を見ようと、大勢の人がTSUKUMO eX.に詰めかけた |
この初お披露目イベントでは、まず「“Quad FX”とはなにか?」という解説から始まった。詳しくは“Quad FXプラットフォーム”の発表記事を参照してもらいたいが、簡単に説明すると、デュアルコアCPUである“Athlon 64 FX-70”シリーズを2つ使用することで、“2CPUコア×2プロセッサー”の計4CPUコア環境を実現するというもの。また、最大で4枚のグラフィックスカード(GPU)を装着可能で、1台のPCで“4CPUコア×4GPU”の4×4を実現可能というわけだ。
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AMDによるクワッドコアの解説。同社らしく競合他社の技術と比較して、自社の優位性をアピール |
“Quad FX”の解説の後は、現行最上位モデルとなるデュアルコアCPU「Athlon 64 FX-62」(2.8GHz)と、“AMD Quad FX”プラットフォームの新CPU「Athlon 64 FX-74」(3GHz)×2との性能比較が行なわれた。デモは3種類行なわれ、まず3DCG作成ソフト「Shade 8」を使用した3DCGのレンダリング時間を比較した。計4コアの「Athlon 64 FX-74」と2コアの「Athlon 64 FX-62」では性能に約2倍の差が出るのではないかと容易に予想できるが、結果は「Athlon 64 FX-74」が11秒、「Athlon 64 FX-62」が23秒と、予想通りの数値となった。
次は「FFベンチ3」を実行しながら、RAWデータ現像ソフトの「SILKYPIX Developer 3.0」を使用して、10枚のRAWデータをJPEGデータに変換する時間を計測。結果は「Athlon 64 FX-74」が56秒、「Athlon 64 FX-62」が1分51秒と、これまた2倍の性能差となった。
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これが「Athlon 64 FX-74」×2と、“GeFoece 7900 GS”ビデオカードを4枚搭載した“Quad FX”のデモ機 | ベンチマシンのスペックは写真の通り |
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まずは「Shade 8」で3DCGのレンダリング時間を比較。結果は「Athlon 64 FX-74」が11秒、「Athlon 64 FX-62」が23秒だった | 「FFベンチ3」を実行しながら、10枚のRAWデータをJPEGデータに変換する時間を計測。結果は「Athlon 64 FX-74」が56秒、「Athlon 64 FX-62」が1分51秒 |
最後はHD映像の再生と動画のエンコードとゲームのベンチマークとエクセルでグラフ作成という4つの作業を同時に行なう、いわゆるマルチタスクならぬメガタスク環境での動作を披露。このデモはベンチ数値を計測するのではなく、同時に複数の処理を行なったときの処理速度をユーザーの目で体感してもらうというものだった。実際に4つのソフトが作業を始めると、「Athlon 64 FX-62」を搭載したマシンは、処理が重たくなるのがわかり、最終的にはエクセルでのグラフ作成にかかる時間に12秒もの差がついていた。さすがにHD映像を楽しみながらエンコードをして、その間にゲームをプレイしつつ、さらに仕事も同時にこなすという人はいないだろうが、“Quad FX”は未来人の器用さを見据えているのか、現在重いといわれる処理でも複数を普通にこなしてしまう性能を持っているようだ。
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「Windows Media Player」「Windows Media エンコーダ」「A列車で行こう7ベンチマーク」「エクセルベンチ2」を同時に行なうメガタスクで処理能力を比較 | 最後に“Quad FX”のメリットを簡潔に説明 |
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これが「Athlon 64 FX-74」のパッケージ。「早ければ来年の1月に発売できる予定」とのこと | OPNは“ADAFX70GAA6DI” |
