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Bluetooth SIGのエグゼクティブ・ディレクターが来日――現状などについて記者向け説明会を開催

2006年12月08日 18時51分更新

文● 編集部 橋本 優

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Bluetoothの開発と普及を推進する業界団体であるBluetooth Special InterestGroup(以下、Bluetooth SIG)は8日、エグゼクティブ・ディレクターを勤めるマイケル・フォーリー(Michael Foley)氏による、Buetoothの現状などについての記者向け説明会を都内で開催した。

Bluetooth SIGのエグゼクティブ・ディレクターを勤めるマイケル・フォーリー氏
Bluetooth SIGのエグゼクティブ・ディレクターを勤めるマイケル・フォーリー氏

同氏はワールドワイドのBluetoothの状況について「ここ2年間でめざましい成長を遂げた」と指摘。2005年度のBluetooth対応出荷台数は3億2800万台にもなり、2006年度は5億台を超える見通しであることを明らかにした。さらに、今年の11月には累計で10億台のデバイスが出荷されたとしており、2010年には20億台のBluetooth機器を出荷したい意向を示した。

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累計10億台のデバイスを出荷した記念に制作された広告

同氏はBluetoothの今後の展開の1つとして、大容量ファイルの伝送や高画質ビデオ映像の配信などが行なえる高速/広帯域方向の進化について説明した。現在、超広帯域無線(UWB)の業界団体であるWiMedia ALLIANCEと協力し、従来のBluetoothデバイスと互換性を保ちつつ、100Mbpsを超える転送速度を実現する仕様を開発中という。

なお、Bluetooth SIGでは現在、Bluetoothの次期バージョンである“2.1+EDR”の仕様が固まりつつある状況だが、これは現在のバージョンである“2.0+EDR”と転送速度(2.1Mbps)は同等になるという。より高速なバージョンは2008年初頭リリースの予定。

『TransSend』の説明
『TransSend』の説明

そのほか、Bluetoothを利用したアプリケーションソフト『TransSend』についても紹介した。このアプリをインストールすることで、ウェブページ上のテキストや画像などを選択し、右クリックメニューから“TransSend”を選択するだけで、Bluetooth対応携帯電話機やPDAなどに直接そのデータを伝送できる、というもの。10月にアメリカで開催された家電見本市“Digital Life”で発表したもので、Bluetooth SIGのサイトから無償でダウンロードできる(対応OSはWindows XP SP2/Windows 2000)。

地域別のメンバー構成グラフ
地域別のメンバー構成グラフ

最後に、Bluetoothの加盟メンバー構成についても触れ、現在3大地域(アジアパシフィック/北米/欧州・中東・アフリカ)のメンバーはそれぞれ約2000社であり、割合的にはほぼ同等であると指摘。一方でプロモーション/アソシエーション(推進)メンバーは約半数にあたる123社がアジアパシフィックに集中しており、さらにそのうちの約4分の1が日本のメンバーだとした。

アジア太平洋地域と日本担当マーケティング・ディレクターに就任したリンダ・ホー(Linda Ho)氏

このことから同氏は「日本はもっとも重要な地域のひとつ」と位置づけ、10月にはアジア太平洋地域と日本担当として、新しいマーケティング・ディレクターを任命。さらに11月には新たに日本専属の人員を配置したという。これにより、メンバーがBluetooth SIGへ質問する際は英語で問い合わせる必要があったが、今後は日本語でも問い合わせができるようになるという。

会場に展示されていたBluetooth機器

フォトビューア サングラスと一体になった Bluetoothヘッドフォン
3.5インチ液晶パネル(320×234ドット)を搭載するフォトビューア。Bluetoothで画像を転送できる。米Parrot社製サングラスと一体になった Bluetoothヘッドフォン。ハンズフリー通話にも対応する。米モトローラ社。
音楽プレーヤー
米イーストマン・コダック社の『EasyShare V610』。Bluetooth対応機器に写真データを転送できる左はBluetooth内蔵のMP3プレーヤー(韓国のKISS社製)。右はiPod nano用Bluetoothアダプター(中国のi.Tech Dynamic社製)
車載用ハンズフリー通話キット
どちらも車載用ハンズフリー通話キット。左は米モトローラ製、右のルームミラー型のものは中国のShenzhen City VITEBO Science and Tecknology Development社製

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