このページの本文へ

日本サイバー教育研究所、2007年4月に開校する“サイバー大学”に関する説明会を開催

2006年12月07日 22時41分更新

文● 編集部 飯塚岳史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)日本サイバー教育研究所は7日、都内のソフトバンク(株)本社会議室にて、日本で初となるインターネットによる完全オンデマンド授業を行なう“サイバー大学”に関する説明会を開催した。

説明会には、サイバー大学の初代学長、世界遺産学部 学部長に就任する吉村作治氏が出席し、大学の概要、学部に関する説明を行なった。

吉村氏
サイバー大学の初代学長と世界遺産学部 学部長を兼任する、日本でのエジプト考古学の第一人者である吉村作治氏

サイバー大学は、インターネットでの完全オンデマンドによる授業を行なう4年制大学。IT総合学部 IT総合科と世界遺産学部 世界遺産学科の2つの学部を持つ。2007年4月に開校を予定しており、今月11日から2007年1月26日までの期間で第1期の正科生の募集を行なう。定員はどちらの学部も600名。2007年2月10日から2月23日までの期間で第2期として追加募集を予定しているが、第1期で定員に達した場合は行なわないこともあるという。

また、入学試験は行なわないが、提出書類として推薦書が必要となるのが特徴。推薦書は、出願者との関係については特に指定がないものの、出願者をよく知る人に書いていただきたいとしている。吉村氏はこの点について「社会人なら、たとえば職場の上司など」と語った。

同大学にて4年以上在学し、教養科目30単位、外国語科目20単位、専門科目74単位を合計した総単位数124単位を取得して卒業すれば、4年制大学を卒業したと見なされる“学士”の学位が取得できる。

吉村氏は、日本サイバー教育研究所という企業が大学を設立していることについて、「従来の企業設立の大学というのは、専門学校が大学を併設しているというパターンがほとんどだったが、株式会社立で完全な4年制の大学は少ない」と説明。「株式会社だからこそ、経理を明確にしなければならず透明性が高い。学校法人という利権に守られている既存の大学は不健全である」と述べ、「教育はサービスというコンテンツであり、より学生に受け入れられるものを作っていく必要がある」と語った。

授業は、同大学のウェブサイトからログインし、自分の受ける授業を選択し、用意されたストリーミングファイルをダウンロードして行なう。このため、授業を受けなければいけない期間はあるが、以前受けた授業を繰り返し受けられるという利点がある。

授業画面 大学へのログイン
授業画面の例。授業の一時停止や画面へのマーキング機能、メモ機能なども備える授業を受けるためには、同大学のウェブサイトからログインする

また、「インターネットという実際に顔を見合わせない環境では、学生のコミュニケーションが取れないのではないか」という疑問に対して吉村氏は、「実際に早稲田大学でも対面制の授業とインターネットによる授業を行なっているが、授業中はどちらもコミュニケーションは取っていない。しかし、授業後に質問などが来るのはインターネットでの授業のほうが多く、面と向かって言えない質問でも、インターネットを介すことで質問できるのではないか」と語った。

この点を利用して、同大学では教授と学生の双方向コミュニケーションとして、授業の内容について質問できる掲示板や、学生同士で意見交換ができる掲示板などを用意。教授側は、1日1回は必ず掲示板に目を通すようにし、全ての質問に対して、48時間以内に必ず返事をするようにしている、と説明した。また、寄せられた質問や回答は掲示板にて開示され、全学生で共有できる。

掲示板制度
掲示板による教授とのコミュニケーションや、学生同士での盛んな意見交換などを行なえる

開校時の学部としては、IT総合学部と世界遺産学部の2つの学部のみだが、状況を見つつ「2年ごとや3年ごとに複数の学部を増やしていく」としており、「経済学部や法学部といった、既存の大学でもあるような学部ではなく、学部と学部の範囲外となる“隙間”を狙った学部を作っていきたい」と説明した。その学部例として、実現できるかはわからないが、と前置きした上で「外国人学生に向けて、日本語を学び、日本について知ってもらえる“日本学”といった学部や、地球物理学ではなく、宇宙全体を見られるような“宇宙学部”などを作っていきたい」と語った。

世界遺産学部 IT総合学部
国内で初となる“世界遺産学士”を取得できる世界遺産学部IT分野の理論や技術だけでなく、起業家向けの授業も行なうIT総合学部


カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン