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繁華街がユビキタスな空間に――“東京ユビキタス計画・銀座”が来年1月に開始

2006年12月05日 22時37分更新

文● 編集部 小林久

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東京国際フォーラムで開催中の“TRONSHOW2007”。同会場内で5日、“東京ユビキタス計画・銀座”の開始式が行なわれた。

テープカットの様子
テープカットに参加する石原都知事(左)と坂村健氏(右)

東京ユビキタス計画とは、TRONベースの携帯情報端末“ユビキタス・コミュニケーター”(UC)と、無線ICタグや2次元バーコードなどで場所に振られたID(ucode)を利用して、観光ガイドや道案内を提供するプロジェクトで、昨年11月には上野動物園でも同種の実証実験が行なわれている。

今回は、東京屈指の繁華街である銀座が舞台。実証実験の開始は来年の1月末から約1年間掛けて行なわれるが、本日はそのローンチとして、東京都知事の石原慎太郎(いしはら しんたろう)氏と、東京ユビキタス計画を進めるYRPユビキタス・ネットワーキング研究所の坂村健(さかむら けん)氏によるテープカットが行なわれた。



坂村健は日本が誇る天才

石原都知事
開始式に先立ち挨拶した石原都知事

冒頭で挨拶した石原都知事は、坂村健氏を「彼は日本が世界に誇る天才」と紹介。TRON開発の業績に触れながら、「アメリカがいやがって貿易障壁対象項目に加えて潰された」「あれがなければビル・ゲイツはあんな金持ちになっていなかったかもしれない」などと坂村氏を持ち上げた。

石原都知事は、このイベントに出席する直前に、高級専門店の“銀座・和光”でユビキタス計画を体験したという。

一方、坂村氏は「場所から情報を取るシステムの実証実験は、国土交通省と全国8ヵ所で行なっているプロジェクトや、上野の森などで行なってきた」とこれまでの経緯を説明した上で、(そして今回銀座の街でも)「やるぞ!という指示を知事からいただけた」と実証実験に対する意欲を示した。

東京ユビキタス計画・銀座では、銀座四丁目交差点を中心に、当初1000~2000個、1年後には1万個のucodeを設置。希望者に対してUCを貸し出して、街歩きに活用してもらうという。各種マーカーの近くで端末(UC)を利用することで、動画や写真を交えた店舗情報やガイド、地図を利用したナビゲーションなどが提供される。また、実際に散策したルートや手に取った商品などを、マイページとしてインターネット上のサーバーに保存することも可能。eコマースなどに役立てることも可能だという。



ユビキタス・コミュニケーター ucode
ユビキタス・コミュニケーター銀座に設置されるucodeの例
ナビ(3D) ナビ(2D)
ナビゲーションの例。3次元表示による方法やカーナビのような2次元によるものなどがある

提供されるコンテンツの中には、石原都知事が登場する動画や、小津安二郎の名作映画『東京物語』の中に出てくるかつての銀座の様子など、銀座の街歩きをより一層楽しくするための工夫が盛り込まれている。

坂村氏提供されるコンテンツのひとつ、石原都知事の動画を記者たちに見せる坂村氏

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