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テックツールプロ4.5

統合メンテナンスツールの定番が“Intel Mac”に対応!

2006年12月06日 10時48分更新

文● 池田冬彦

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ハードウェア診断の“万能アーミーナイフ”

『テックツールプロ4.5』は、米マイクロマット(Micromat)社が開発した、Macのトラブル対策に役立つ統合メンテナンスソフトだ。HDDやファイルシステムなどの診断/修復だけでなく、マシンを構成するハードウェアの診断機能も備えているのが、ライバル製品にはない大きな特徴になる。

アップルの有償サポート『AppleCare Protection Plan』にも診断ツールとしてテックツールの簡易版が付属しており、メンテナンスの定番ソフトとしての認知度も高い。

『テックツールプロ4.5』。対応システムはMac OS X 10.3以上。対応機種は、PowerPCかインテル製CPUを搭載したMac。
メインウィンドウメイン操作ウィンドウ。“個別テスト”パネルの“ハードウェア”項目の内容は下表のとおり
項目名 概要
キャッシュ CPUが備えるキャッシュメモリーの動作テスト
クロック CPUとシステムバスが正常なクロック周波数で動作しているかを検証
FireWire FireWireポートの動作チェック
メインメモリ 各種バイナリーパターンでメモリーの読み書き精度を検証
演算処理 CPU処理に適した各種ルーチン/演算をテスト
ネットワーク EthernetやAirMacの通信テスト
プロセッサ 命令やデータのやり取りでCPUの動作を検証
Universal Serial Bus (USB) USB端子の基本動作をチェック
ビデオメモリ モニター表示用メモリーの精度と表示をテスト

本バージョンではソフトがUniversalアプリケーション化され、インテルMacのハードウェア診断が可能になった。インターフェースや診断項目などは従来バージョンとまったく同じで、一連の作業を自動的に行なう“テストスイート”から診断を実行するのが基本となる。定期的なメンテナンスなら、ハードウェアの基本的な診断を行ない、ボリューム構造を検証してくれる“標準テスト”でも十分だ。

テストスイート
“テストスイート”の画面。3段階に設定された複数のテスト項目をワンクリックで実行できる。“詳細テスト”では、HDD上の不正ブロックを検出する“サーフェーススキャン”も行なう

日ごろのメンテナンスで、万全のトラブル対策

本ソフトは、トラブルを未然に防ぐメンテナンスツールとして活用するのが正しい使い方だ。ハードウェアやボリュームの診断をはじめ、ディレクトリー情報の最適化を実行するだけでトラブルの頻度は低減する。

ディレクトリメンテナンス
“ディレクトリメンテナンス”では、ディレクトリー情報を最適化できる。図のようなダイアログが表示され、置き換え前と後の差を比較できる

起動ボリュームのメンテナンスに便利な機能として、HDDの空き領域にメンテナンス専用の起動ドライブ“eDrive”を作成する機能が見逃せない。

ディスクを初期化せずに起動パーティションを作成し、既存の起動ディスクから必要なシステムの基本リソースをコピーするため、システムの再インストールも不要だ。

OSのバージョンによっては6~8GBのHDD空き容量が必要となるが、同ボリュームで起動すると、付属DVDから起動する場合と比較してソフトの反応が速く、作業効率が飛躍的に向上する。

eDrive
“eDrive”の作成画面。HDDの空き領域を利用して、緊急起動用のパーティションを作成。メディアなしで起動でき、HDDをフォーマットする必要もない

“プロテクト設定”では、データ保護用のカタログレコードバックアップ(プロテクトファイル)を利用して、破損ボリュームから指定したファイルを復元したり、ボリュームそのものを復旧可能。ディレクトリー情報を定期的に診断したり、バックアップしておけば対策は万全だろう。ベテランだけでなく、初心者でも安心して利用できるユーティリティーとしてイチ押しだ。

“プロテクト設定”では、ファイルの修復作業に使われるプロテクトファイルの作成スケジュールを指定できる


【結論】

【○】
起動用メディアや外付けドライブなしで、起動ボリュームの修復やデータリカバリーができる“eDrive”が秀逸。初心者にもやさしい使い勝手だ。

【×】
Intel Mac対応のほかに新機能がない。また、従来バージョンのユーザーが、本バージョンに無料アップデートできないのも残念だ。



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