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宛名職人 Ver.14

住所管理も宛名印刷もおまかせ! 着実な進化を見せた宛名作成ソフト

2006年12月07日 00時04分更新

文● 倉田吉昭

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『宛名職人 Ver.14』は、年賀状の作成を主眼に置いたソフトだ。1万3300点のイラスト素材や110書体のフォントを収録し、宛名印刷のために住所録の管理機能も備える。年賀状だけでなく、各種郵便物の宛名/裏面の作成と、ラベルなどの印刷に対応。現在、市販のMac向け年賀状ソフトとしては、唯一の選択肢だ。

宛名職人
『宛名職人 Ver.14』。DVD版とCD版のパッケージが用意される(写真はDVD版)。対応システムはMac OS 9.2以上、OS X 10.1以上。対応機種はPowerPC G3以上を搭載したMac (Intel MacではRosetta上で動作)

本バージョンでは、宛名印刷時の文字組機能が強化され、テンプレートが4種類用意された。この機能により簡単に文字組みが設定でき、利便性が向上。また、最新の市町村合併情報にも対応した。そのほかトップメニューで全機能が一覧できるようになったため、既存ユーザーも知らなかった機能に出会えるかもしれない。

おすすめ設定テンプレート宛名レイアウトごとに、組み数字や漢数字表記などの設定を、4種類の“おすすめ設定”テンプレートから選べるようになり、初心者でも手軽に美しい宛名印刷が可能になった
市町村合併に対応
最新の市町村合併に対応。過去に登録した住所録のデータも、ボタンひとつで最新の住所に更新してくれる
トップメニュー
トップメニューがiMacをイメージしたものに一新された。宛名印刷/裏面作成/住所管理といった多くの機能がアイコン化されており、一覧できる

さらに『Adobe Photoshop』のPSDファイルの読み込みに対応(レイヤーは統合される)。また、JPEG形式での最大書き出し解像度が、従来の72dpiから300dpiに向上した。圧縮率も設定できるので、出力サービスを利用すればハイクオリティーな印刷も可能だ。

メインインターフェース
全ステップの手順が画面上部にアイコン化されるため、迷わず作業できる。さまざまな描画ツールや3Dなどを生かしたオリジナル作品も作成可能だ
72dpi 300dpi
従来バージョンでは72dpi(左)での書き出しのみだったが、150dpiと300 dpi(右)の書き出しに対応。同じサイズに拡大すると、画質の違いがはっきりと分かる(300dpiのほうは画像サイズが大きいため、リンクを開く際は要注意)

宛名職人 Ver.14は、昨今のソフトとしては珍しくMac OS 9.2以上の対応となっている。ただしUniversalアプリケーションではなく、Intel MacではRosettaによるエミュレーション動作となる。とはいえ、今回使用した範囲では、動作速度が気になることはなかった。

同社にはMac OS 9.1以下対応の『宛名職人 Classic』もある。ソフトの登場から14年が経過し、インターフェースや機能に古さを感じることも否めない。旧OSのサポートは重要だが、Intel Macの性能を味わえる新バージョンの登場にも期待したい。


専用ウィジェットで宛名データを素早く確認

住所録閲覧用のDashboardウィジェット
ウィジェットでは住所録データを編集できない。宛名職人側の変更は保存後に反映される

宛名職人 Ver.14には、住所録閲覧用のDashboardウィジェットが付属する。ウィジェット上でのデータ編集には対応しないが、宛名職人本体を起動することなく、内容を検索/閲覧できるため、使い勝手は向上する。

Mac OS X付属の『アドレスブック』ウィジェットにない機能として、ほかのソフトでデータを使用する際に便利な“宛名のコピー”機能がある。また、『Skype』のIDやメールアドレス、ウェブサイトを登録し、ボタンひとつで該当ソフトを起動できるなど、データの閲覧以外の場面でも活躍する。





【結論】

【○】
宛名印刷のレイアウトが柔軟性を増し、組み数字などの表記がきれいにできる。Mac OS Xだけでなく、Mac OS 9ユーザーにも新バージョンを提供する。

【×】
Universalアプリケーションではない。インターフェースの設計が初期バージョンから大きく変わっておらず、Mac OS Xにふさわしい設計を期待したい。





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