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富士フイルム、携帯電話向けの動画自動変換・配信サービス“Keitai Video”を発表

2006年11月30日 23時10分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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富士フイルム(株)は30日、携帯電話用動画の配信を行なうコンテンツプロバイダー向けに、携帯電話の各機種に最適なサイズや形式で自動変換し、配信を行なえるASPサービス“Keitai Video”を開発したと発表した。動画配信部分では、リアルネットワークス(株)と共同で開発、サービスの提供を行なうという。サービス開始は12月中を予定している。

握手
がっちりと握手を交わす富士フイルムの羽田氏とリアルネットワークスのリー氏

これまで携帯電話向けの動画は、各機種に合わせて解像度やファイル形式などを手作業で変換していく必要があったが、Keitai Videoサービスを利用することで、1種類の元となる動画から、数十種類の配信用の動画形式へと自動で変換できるのが特徴だ。変換できる動画の最高解像度はQVGA(320×240ドット)までだが、同社によると「VGAやQVGAワイドといった高解像度の機種は出てきているが、現在では動画はQVGAまでしか再生できない」という。

ワークフロー
キャリアーごと、機種ごとに最適化された動画を1つ1つ作るのはもはや不可能

そのほか、“長尺コンテンツ自動分割機能”を搭載。これは、ソフトバンクモバイル(株)の3G携帯電話機など、サイズの小さい動画までしか対応していない機種向けに自動で動画を分割する機能だ。これまでは機種に合わせた尺で動画をそれぞれ作成する必要があったが、2MBまで受信できる(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの“902シリーズ”などではそのまま1つの動画で、300KBまでしか受信できないソフトバンクの3G携帯電話機では、1つの動画から自動的に5つに分割して配信できるなど、さらに汎用性が高くなる。

自動分割 長時間動画
1つの元動画を機種に合わせて自動で分割できるURL情報を埋め込めるNTTドコモの902シリーズ以降では、さらに長い動画の配信も可能

実際のサービスの仕組みとしては、コンテンツプロバイダーが元動画と画質などを示した変換/配信用のパラメーターを用意し、富士フイルム側のサーバーにアップロードすることで、自動的に機種ごとの動画変換を行なう。携帯電話機で動画を見たいユーザーは、コンテンツプロバイダーの配信サイトにアクセスし、機種情報を送ることで、富士フイルムが用意する配信サーバーに機種情報を送り、配信用のページを動的に作成する。そうすることで、ユーザーは作成された配信ページから端末の性能に合わせて変換された高画質な動画を視聴できる。

サービスイメージ
プロバイダーは元動画と必要なパラメーターを用意するだけでサービスを開始できる

発表会には富士フイルム ソフトウェア開発センター インキュベーション部 部長の羽田典久氏、リアルネットワークス BPS アジアマーケティング兼ビジネスディベロップメント ディレクターのサンミン・リー(Sangmin Lee)氏、富士フイルム インキュベーション部の内田充洋氏が出席し、サービスの概要などについて説明した。

羽田氏 リー氏 内田氏
富士フイルム ソフトウェア開発センター インキュベーション部 部長の羽田典久氏リアルネットワークス BPS アジアマーケティング兼ビジネスディベロップメント ディレクターのサンミン・リー富士フイルム インキュベーション部の内田充洋氏

羽田氏は、マルチメディアコンテンツについて「初めは静止画からだったが、Flash、動画となるにつれて表現力のある映像となってきた。これらをパソコンから携帯機器、さらにその他のプラットホームまで広げていくことで、同社の目指す“ユビキタスイメージング”へと繋がっていく。こうした流れを提供していくのが我々の使命である」と語った。

ユビキタスイメージング
動画コンテンツをパソコンだけでなく、携帯機器やほかのプラットホームまで

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