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幕張メッセは中も外も“HD”だらけ 国際放送機器展“Inter BEE 2006”開幕!!

2006年11月15日 22時02分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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Inter BEE 2006

乾いた風が頬に冷たい曇り空の千葉県・幕張の日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で15日、放送機器の国際展示会“2006 国際放送機器展”(略称:Inter BEE 2006、International Broadcast Equipment Exhibition 2006)が開幕した。主催は(社)情報技術産業協会(JEITA)で、会期は17日までの3日間。



会場には映画“Udon(うどん)”のセット
会場の外には中継編集車を展示したソニーブース

ソニー(株)のブースは“HD for all with SONY”(ソニーの映像機器のすべてをHDに!)をテーマに掲げていたが、実のところ会場にブースを構えたほとんどの企業ですでにSD(標準画質)放送に関する機器は少数派になり、どのメーカーもHD(高解像度)放送に関する撮影・編集・録画・配信の各パートに用いられる機器を前面展開していた。

映画UDONのセットと看板
ソニーブースに用意された、映画UDONのセットと看板

ソニーブースの見所は、なんと言っても映画“UDON(うどん)”のミニチュアブースを構えた撮影コーナーだろう。会場を“HD報道向け”“映画/CM/番組制作(24p対応)”“HDライブ制作”“HD制作環境の拡大”という4つのパートに分けて、HD撮影・編集機器、スイッチャーなどを展示しているが、映画/CM/番組制作のコーナーには、UDONで主人公のユースケ・サンタマリアがうどんを打った実家を模したセットが組まれている。このセットを囲むようにHD撮影対応のカメラやモニター用ディスプレーが設置され、来場者が自由にアングルを変えて撮影できる。

中継編集車
ソニーブースの裏手から会場外に抜けたところに展示されている中継編集車。写真の手前は中型車で、奥は大型車。中を見学することもできる

一方、会場の外には関西テレビ放送(株)や(株)東通が実際にスポーツ中継などに使用している中継編集車両を展示。車内には19インチラックマウントが前方の3列、後方に4列など用意され、電源は中継会場で取れる場合は100Vを供給し、電源が取れない場所では発動発電機によってまかなうという。

フラッシュメモリーにHD映像30時間を収録できる“VIDEOS SE”
――東芝

中継編集車
東芝ブースではVIDEOS SEを大きくアピール

(株)東芝は、業界で唯一というフラッシュメモリービデオサーバーの新製品“VIDEOS SE(ビデオス エスイー)”を展示。これは最大1.5TB、HD映像で30時間分の映像を蓄積して、編集・出力できるビデオサーバーで、SEはSports&Editingを意味し、スポーツ中継などにも持ち出せるコンパクト設計を実現したことを示している。

同社は従来からフラッシュメモリーを記録メディアに採用したビデオサーバー“VIDEOS”を発売しているが、現行機種が7Uラックサイズだったのに対してSEは4Uサイズに縮小し、中継車などの狭いスペースでも使用できるという。映像圧縮方式はJPEG2000で、フレーム単位でのランダムアクセスが可能。2入力2出力、入力映像をスルー出力してのモニター表示も可能。一般的なHDDを記録メディアに使うビデオサーバーと比べるとメンテナンスの必要がなく、振動や電源断などの耐障害性も高いという。



103インチプラズマパネル×2で“P2HD”をアピール
――松下電器産業

2枚の103インチPDPで派手に演出したパナソニックブース
ちょっと遠くてサイズがイメージできないかもしれないが、2枚の103インチPDPを上下にスライドさせながら派手な演出のデモを行なったパナソニックブース

今年7月に世界最大の103インチプラズマディスプレーパネル(関連記事)を発表した松下電器産業(株)は、このパネル2枚が上下にスライドするド派手な演出のセミナーコーナーを設け、最大8GBのフラッシュメモリー内蔵PCカード“P2 card(ピーツー カード)”を記録メディアとする編集システムをデモンストレーションした。

AJ-HPX2100 AJ-HPM100
P2 Card対応カメラレコーダーでは『AJ-HPX2100』P2 Card対応ポータブル編集機では『AJ-HPM100』

カメラレコーダーでは『AJ-HPX2100』(HD/SDマルチフォーマット収録対応、P2 Cardスロット5基内蔵)、ポータブル編集機では『AJ-HPM100』(HD/SD対応、同6基内蔵)がそれぞれ新製品として展示され、複数枚のP2 cardを内蔵して撮影→即編集→出力、といったフィールドワークでの展開が可能な同社ソリューションをアピールしていた。


アドビ システムズ アップルコンピュータブース
アドビ システムズはFlash Professional 8やFlash Lite(携帯電話機向けFlash環境)をアピールしている点が目新しいHD対応ビデオ編集ソフト『Final Cut Pro』で、HD映像からポッドキャスト向け映像編集まで幅広くカバーできると紹介するアップルコンピュータブースの公開セミナー風景

そのほか、業務用モニターディスプレーを多数展示したアストロデザイン(株)は、HDを超える高解像度表示、“4K2K”(3840×2160ピクセル/60Hz)の直視型56インチ液晶ディスプレー『DM-3400』を展示。デュアルリンクHD-SDI×4もしくはDVI-D×4の入力端子を持ち、NHK制作の4K2K映像で高精細な表現力をデモンストレーションしていた。

56インチの4K2K対応高精細液晶ディスプレー 小型HDカメラ『KST-200』をバイクに乗せたコンセプトモデル
アストロデザインが出展した56インチの4K2K対応高精細液晶ディスプレー『DM-3400』とHDサーバー(株)カワサキ プレシジョン マシナリが、バイクの側面に小型HDカメラ『KST-200』を載せたコンセプトモデルを展示した。コントロールは有線方式で、別途オペレーションユニットと接続しているため、このバイクが即製品になるわけではないが、将来は無線操作によってカメラを自由な方向に向けながら、疾走感のある迫力映像が撮れそうだ。もちろん、バイクは“Kawasaki”

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