このページの本文へ

シマンテック、Exchangeのバックアップを簡略化する『Symantec Backup Exec 11d』を発表

2006年11月02日 21時38分更新

文● 編集部 小林久

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)シマンテック主催のイベント“Symantec Vision 2006”が2日、東京プリンスホテルパークタワーで開催された。会場では、本日発表された企業向けバックアップソフトの新版『Symantec Backup Exec 11d』の記者説明会が行なわれた。

米シマンテックVPのディーパック・モーハン氏米シマンテック社データ・アンド・システム マネージメント グループ バイス プレジデントのディーパック・モーハン(Deepak Mohan)氏


バックアップの手間が1/2以下に

Backup Exec 11dは、主に中堅・中小企業をターゲットにしたバックアップソフトで、WindowsファイルサーバーやMicrosoft Exchangeのデータ保護を可能にする。特に、従来版と比べ、Exchangeサーバーのデータ保護機能が拡充されており、Backup Exec 10dでWindowsファイルサーバー向けに提供された“継続的なデータ保護”の機能がExchangeサーバーでも利用できるようになった。フルバックアップ後のトランザクションログを自動的にレプリケーション(複製)する仕組みで、定期的なバックアップを行なわずに、任意の時点へのデータ復元が可能になる。頻度はデフォルトで8時間ごとだが、最短15分まで設定できる。

また、リカバリー機能に関しても“Granular Recovery Technology”(GRT)と呼ばれる新技術を導入した。これにより、特定ユーザーのフォルダーのうち一部のファイルだけ復元する際の手順を簡略化できる。従来版の10dでは、こういった個別データのリカバリーを行なう際に、データーベース全体のバックアップに加え、メールボックスのバックアップも行なわなければならず、2倍のストレージスペースと倍以上のバックアップ時間が必要とされていた。11dでは、10dまでのバックアップ元とバックアップ先で異なる形式でファイルを管理する方式を改め、Exchangeサーバーのデータベースファイルは“EDB形式”のまま、それ以外のバックアップされたファイルもその形式のまま管理できるようにした。システム管理者はバックアップ先のデータの中身をバックアップ元と同じように利用できるため、変換作業によって生じる作業工数も低減できる。

継続的なデータ保護 Exchangeサーバーのリカバリー画面
継続的なデータ保護を使用するには、設定画面でトランザクションログをバックアップするにチェックを入れるExchangeサーバーのリカバリー画面。個別データの詳細なリカバリーに対応

個別データの復元に関しては、Active DirectoryのオブジェクトやSharePointのドキュメントに関しても可能。128bitまたは256bit AESによるバックアップデータの暗号化にも新たに対応した。暗号鍵はログオン・アカウント単位ではなく、ネットワーク経由やテープメディアへのバックアップ時にジョブ単位で発行される。

(株)シマンテックの中野氏
機能の詳細を説明した、(株)シマンテック システムエンジニアリング本部 シニアシステムエンジニアの中野貴之氏

また、サポートプラットフォームも増え、64bit版Windows用のBackup Execメディアサーバー(x64にネイティブ対応)が追加されたほか、Linux/UNIX、Oracle RMAN/RAC用のリモートバックアップエージェントも用意された。

価格は、通常のWindowsサーバー版とWindows Small Businessサーバー向けのプレミアム版が12万5000円(アップグレード版は7万5000円)。Windows Small Businessサーバー向けのスタンダード版が9万3500円(アップグレード版が5万6100円)。ExchangeサーバーやSQLサーバーなどをバックアップするためには、別売のエージェントが必要(Exchangeサーバーの場合15万6400円)。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン