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ソニー、第2四半期の連結業績を発表――売り上げ高は伸びるもバッテリー回収で営業利益は損失

2006年10月26日 20時44分更新

文● 編集部 橋本 優

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ソニー(株)は26日、2006年第2四半期の連結業績の発表を行なった。ソニーグループ全体の売り上げ高は1兆8542億円で、前年同期比8.3%の増収となった。ただしノートパソコンのバッテリー回収に関わる損失などにより、営業利益は208億円の損失となり、純利益は前年同期比94.1%マイナスとなる17億円となっている。

会見の様子
会見の様子

今期はエレクトロニクス分野と映画分野が好調で、またスウェーデンのエリクソン(Ericsson)社と同社の合弁会社で、携帯電話機製造メーカーの英ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(Sony Ericsson Mobile Communications)社も過去最高の業績を達成したという。

エレクトロニクス分野の業績
エレクトロニクス分野の業績

エレクトロニクス分野の売り上げ高は1兆3784億円で、前年同期比12.1%の増収となった。これは液晶テレビ“BRAVIA(ブラビア)”やデジタルカメラ“サイバーショット”、パソコンの“VAIO”の売り上げが好評だったため。営業利益は、原価率の改善や外部顧客向けの売り上げ増、為替利益などがあったものの、上述のバッテリー回収の影響で前年同期比71.4%マイナスの80億円となった。

エレクトロニクス分野の地域別の売り上げ
エレクトロニクス分野の地域別の売り上げ比率。欧州が25%と最もよく売れ、成長率もプラス27%と最も大きい

映画分野は1782億円の売り上げを達成。前年同期よりも劇場公開作品が多かったことから前年同期比12.1%の増収となった。ただし営業利益は公開作品の増加に伴い広告宣伝費が増加したことと、劇場映画『Zoom』『All The King's Men』が不振に終わったこと、さらにDVDソフトの売り上げが減少したことが重なり、153億円の損失になっている。

ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、前年同期比42%の増収となる29億1300万ユーロ(約4223億8500万円)を達成。主に海外で展開している“サイバーショットケータイ”“ウォークマンケータイ”が好調で、売り上げに貢献したという。これにより、ソニーの投資利益は前年同期比211%増収の218億円となった。ちなみに韓国サムスン電子との合弁会社であるS-LCD(株)は、液晶パネルの大幅な出荷増により16億円の利益を計上。これは前年同期比と比較して44億円の増収だという。

対して、今期の業績が伸び悩んだのがゲーム分野と金融分野となる。ゲーム分野の売り上げ高は1703億円で、“プレイステーション 2”と“プレイステーション・ポータブル”の販売台数が前年より減少したことや、戦略的な値下げの実施などの要因により、前年同期比20.5%の減収となった。営業利益も“プレイステーション 3”の立ち上げ費用により435億円の損失となっている。

金融ビジネスでの売り上げ高は前年同期比で4.4%マイナスとなる1681億円。営業利益も前年同期比35%マイナスの256億円となった。要因は主にソニ-生命保険(株)の減収によるもので、ソニー損害保険(株)やソニー銀行(株)の業績は順調に推移しているという。

2006年の連結業績見通しは、売り上げ高が前年度比10%増収の8兆2300億円で、営業利益は同78%マイナスの500億円、純利益は同35%マイナスの800億円となっている。

執行役の大根田 伸行氏
ソニー執行役の大根田 伸行氏

今回の業績について、同社執行役の大根田 伸行(おおねだ のぶゆき)氏は「営業利益は大幅に改善された」ことを強調。構造改革についても当初目標の2000億円のコスト削減に対し、現時点で1200億円の削減を達成しているという。

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