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新セグウェイが国内販売開始! さっそく試乗してきた

2006年10月20日 17時49分更新

文● 編集部 西村賢

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記者発表会では、報道関係者向けに試乗会を行なっていたので、さっそく記者も試乗してみた。

私より先に乗った人々を見ていると、みんなスイスイ乗りこなすので驚いた。1分ほど手で支えてもらいつつ、ゆっくり前進と転回を試すだけで、ほとんどの人が自走できるようになる。なかには10秒ほどで、すいすい自在に走り出す人もいるぐらいで、本当に簡単な乗り物だなというのが第一印象だ。自転車でも習得には数日から1週間ぐらいかかるのだから、自転車よりずっと手軽で簡単だということだ。第1世代のセグウェイに比べても、ジャイロセンサーのセンシング間隔が20%程度短くなっており、その結果、人間が感じる安定性は格段に向上しているという。

試乗会の様子

ただ、そうは言っても経験の差がハッキリ出る。SGIの担当者の乗りこなしは、今日初めて乗りましたという記者たちとは明らかに違ったし、セグウェイに乗ったままプレゼンテーションを進めたCEOは、あまりに滑らかに部屋のなかを動き回るので、未来から来た使者のようにすら見えた。どうも、体重移動や身体の傾け方について、初心者は思いきれないから速度や加速度が出ないということのようだ。試乗会では各人5分ほどしか乗れなかったが、撮影のために比較的長時間乗り続けていたテレビ局のリポーターは、みるみる“レベルアップ”していく感じが傍目に分かるほどだった。

プレゼンの模様 初心者と上級者の比較
セグウェイに乗って軽快に動き回りながらプレゼンするジェームス・ノロッドCEOノロッドCEO(左)と試乗会で初めて乗った人(右)を比べると、前のめりのアングルが全然違うことが分かる

私の順番が回ってきた。

どういう順序で足を載せたらバランスが崩れないのか見当もつかない。しかし、実際には、ほとんど、どう乗ってもかまわないのだ。なぜなら、そもそもセグウェイは電源が入っているときには“自立”するために常時バランスの微調整を行なっているので、バランスを取って立ち続けるのはセグウェイの基本動作なのだ。また、足のセンサー部で搭乗の有無を検知しているので、片足を載せただけで走り出すこともない。

壁にもたせかけたセグウェイセグウェイは電源を切ると自立できないので、壁などにもたせかける必要がある

衆人環視のもと、誰もが乗れたセグウェイで転んだらと恥ずかしいなと、少しドキドキしながら、ポンと飛び乗ると、「もう少し前に」と担当者にアドバイスされた。どこに乗ってもバランスは取れるが、立つ場所によって体重移動による加速の感じが変わるので、ちょうどいい足の場所というのがあるらしい。

ハンドルを握って「前へ」と念じると動き出した……、いや、念じたのは冗談。軽くつま先に力を入れる感じだ。さらに前のめりを意識すると、少し加速する。あわてて腰が引けた姿勢になると、ややふらつきながらも停止。続いて後退を試そうと、かかとに重心を移そうとするものの、何となく後ろに転びそうな気がして、どうも思い切れない。ただ、担当者によると左右の回転が機敏なので、後退を使うよりも回れ右して前進するという使い方がいいとのこと。ハンドルを左右に倒せば、その場でクルクルと回転できる。

1、2分でS字スラローム走行もできるようになった。視線は前方やや遠くを見るという感じで、乗り心地は爽快だ。試乗会の会場が狭かったこともあって、最高時速の20kmどころか5km前後しか出せなかったが、それでも、歩くより楽に、歩くより速い速度で風を切る感覚は新鮮で、思わず笑みがこぼれる。初めて自転車に乗れた日のような喜びがある。自転車に乗れた日のことは、あまりに昔で覚えていないのだが。

自転車ファンがそうであるように、われわれは乗り物を、実用性だけで選んで使っているのではない。乗ること自体が楽しみとなるし、新しい平衡感覚を味わうというのは、遊園地のちょっとしたアトラクションに近い喜びを感じるものだ。市場が拡大して低価格化すれば、セグウェイが日本の商店街や公道を滑走する日が来るようになるのかもしれない。

試乗1 試乗2
少し説明を受けるおそるおそる前に
試乗3 試乗4
すぐに慣れて爽快な走行調子に乗っておっとっと。バランスを崩して片足が落ちると、その時点で止まるよう設計されている

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