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【bossa mac web】ジョブズのプレゼンに学べ!

2006年10月11日 15時17分更新

文● 林信行、MacPeople編集部

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ジョブズのスピーチをアシストするのが、Keynoteで作られたスライドの数々。その見栄えの秘密、同様のスライドを作成するコツを、Keynote解説書の著者である杏林大学医学部の高橋良氏にうかがった。例に挙げたスライドは、2005年のWWDC基調講演のものだ。


スライドの共通点

ジョブズのプレゼンは大変シンプル。派手なトランジションも使用しません。スライド1枚当たりの情報を極力減らし、その代わりに多数のスライドで構成するのが特徴です。

基本デザインでは、背景はKeynoteに標準で付属するグラデーションテーマを、フォントは製品ロゴに用いられている『Myriad』を使うなど、決して特殊なデザインをチョイスしているわけではありません。


例1 MacとPCの売り上げ比較

MacとPCの売り上げ比較

注目させたいMacを示す色はライム、対してPCの色はスカイをあしらって、美しい対比の折れ線グラフにしていますね。

この場合、グラフ設定はインスペクタで“軸と枠”のグラフの枠線、X軸Y軸とも非表示。“ラベル、目盛り、グリッド”はX軸のカテゴリーラベル以外は表示オフ。Y軸は数値ラベルをオンにし、グリッド表示します。

さらに、グラフの凡例→グラフ→グラフの要素の順にクリック単位でビルドインすれば、基調講演と同様の視覚効果を得られるでしょう。エフェクトはワイプ、方向は左から右、表示方法は系列単位、継続時間は1秒といったところです。



例2 OS Xユーザーの内訳

OS Xユーザーの内訳

円グラフの配色はレインボーカラーで、おそらく往年の6色リンゴのアップルロゴをモチーフにしているのではないでしょうか。もっとも、黄色系は項目数の不足や、視覚的に見えにくいことから採用しなかったのでは、と思います。

ブルーとバイオレットの部分はグラデーションを使用。グラフの表示はビルドでエフェクト:拡大縮小、方向:拡大、表示方法:分割部分単位と設定すると、同じような効果が得られるでしょう



例3 OS XとWindowsのメジャーアップデート履歴

OS XとWindowsのメジャーアップデート履歴

ここでのキーはやはり、OSのインストールディスクをシンボルにしていること。単純明快なオブジェクトで視聴者にわかりやすく示し、文字は補助的な役割のみ。ディスクの表示方法は、マジシャンがトランプをテーブルの上に並べるような方法をとっていますね。

やり方ですが、ビルドで一番右のディスクを最初にエフェクト:ムーブイン、方向:左から右、継続時間:0.75秒に設定。ほかのディスクは、最初のディスクのビルドで自動処理させていると思います。



例4 1WあたりのCPU性能比較

通常は注目させたい項目に目立つ色を割り当てますが、ここではインテルのコーポレートカラーのブルーをグラフの色にして、聴衆に“青はインテル”と瞬時にわからせています。

グラフのバーは不透明度80パーセントに設定。ビルドでエフェクト:ワイプ、方向:下から上、表示方法:系列の要素単位、継続時間:0.75秒にするといいでしょう。縦の棒グラフは、下から上にワイプさせることで上昇傾向をより強くアピールできます。



高橋良
杏林大学医学部共同研究施設フローサイトメトリー部門助手。(株)秀潤社刊のKeynote解説書『Keynote2プレゼンテーション入門』を執筆し、アップルの事例紹介ページにも登場


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