先ほどのニュース記事の通り、カナダに本社を置くResearch In Motion社(以下、RIM)の日本法人、Research In Motion Japan(株)は25日、W-CDMA方式とGSM/GPRS方式に対応し、世界中で使えるメッセージング端末『BlackBerry 8707h』(以下、8707h)の発表会を開催した。発表会場には8707hの実機が多数展示されており、手にとって触ることができた。ここでは気になる点を見ていこう。
国内でBlackBerry端末が販売されるのは今回が初めて。8707hは(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの法人営業部門を通じ、企業ユーザー向けに販売される。8707hは当面、システムの一部として販売されるため端末価格は公表されていない。
ユーザーは、FOMAネットワーク内で音声通話とパケット通信を利用でき、海外ではドコモの国際ローミングサービス“WORLD WING”を利用して通話できる。
8707hは、世界約60カ国で600万人以上が利用しているモバイル情報端末。会社に届いたメールを自動で受信できるのと、パソコンふうのQWERTY配列のキーボードを搭載していることなどから、海外のビジネスマンに圧倒的な人気がある。
ハードウェアの特徴からチェック
キーボードはコンパクトだが、そのぶん個々のキーが出っ張っていて、しっかりとしたクリック感がある。配列はパソコンと同じQWERTYだが、“DEL”(削除)キーが2段目にあったり、シフトキーがなかったりと、細かい部分にクセがある。なお、画面はタッチパネルは対応していない。電話をかけるときは左側にある白い数字キーでダイヤルする |
背面カバーを取り外すと充電池(容量1100mAh)を交換できる。FOMAカードを差し込むためのスロットは、その奥にある。また、通話中に“$”キーを押すと、背面のスピーカーと本体のマイクを使ったハンズフリー通話が可能になる |
上部にはミュートボタン(左)と電源ボタンがある。カメラやメモリーカードスロットは搭載しない。iモードやiアプリにも対応しないため、そうしたボタンもない | Bluetooth 2.0(ヘッドセット/ハンズフリー/シリアルポートの各プロファイル)に対応する。筆者のヘッドセット『Motorola H500』も難なくペアリングできた |
“ALT”キーを押しながら側面のエスケーブボタンを押したままにすると、実行中のソフトを一覧できる。この状態で側面のトラックホイールを回し、好きなものを選択する。エスケープボタンから指を離すと、選択したソフトに切り替えられる。両手を使う必要はあるが、いつでも一覧を呼び出せるのが便利だ |
搭載しているソフトをチェック!!
8707hはOSに独自のものを採用しており、BlackBerry用のソフト、J2MEアプリ、いずれもJavaVM上で動作する | パソコン用のサイトを閲覧可能な、独自のウェブブラウザー『BlackBerry Browser』を搭載する。“Yahoo! JAPAN”のトップページを表示できたが、強制的にタテ1列にレイアウトされてしまった。 |
“アタッチメント・ビューアー”と呼ばれるビューワーソフトを搭載しており、Word/Excel/PowerPoint/PDF/JPEGといったビジネスでよく使うファイルを閲覧できる |
設定を変更し、見た目のデザイン(テーマ)をシンプルにすることもできる。このときフロントボタンを押すと、待受画面に表示しきれない他のソフトを確認できる |
実際に触ってみると、見た目以上にコンパクトで、キビキビと動作する点に好感が持てた。特に、万能ともいえるトラックホイールの使い勝手の良さには正直、ひと目惚れをした。
8707hは、「携帯電話を持ってはいるが、電話はたまにしかしない。仕事上必要なメールやファイルを確実にやり取りできるほうが重要だ」という、筆者のようなメール中心のビジネスユーザーにピッタリの端末といえる。